難病疑い歴5年。ハザマを生きている女子の話3

前話: 難病疑い歴5年。ハザマを生きている女子の話2

いざ、整形外科へ!


こうして強制的に隣町の整形外科に行くことになったのだが、岩手はめちゃくちゃ広いのである。私の家から隣町の整形外科までは車で片道約30分かかるのだ。距離自体は大したことはないのだが、その道中、ほとんどが山道であるために時間ばかりがかかるのである。

この移動の最中の記憶もない。

ただ、車内は重い空気に包まれていたと思う。


さてさて、ここで私がこの時なぜ、こんなに遠い隣町の整形外科に行くことになったのかということに触れたいと思う。


話はこの日から1ヶ月半前の2010年の8月下旬に遡る。

私はその日、文化祭の準備中にクラスメートとの連携不足に不足によってバランスを崩し、椅子の上から落下。見事なまでに尻餅をついたことが原因で腰のヘルニアになる。

ヘルニアは2ヶ所でなっており、少し神経を圧迫していたものの、問題のないレベルだったため、温存することとなっていたが、神経を圧迫していたためか、激痛で、一時は寝返りも打てなかった。

この整形外科には田舎の個人医院にしては珍しく、MRIを完備していたので、知人の勧めにより、その病院に通っていたのである。


少し余談にはなるが、脊髄神経とは面白いもので、損傷などを受けた時、その損傷した部分より下の部分にしか障害は起こらないそうだ。(ここでいう障害は動かなくなるのもそうだが、痺れる、脱力なども含まれます)

例えば、私のように腰だったら腰から下(ほとんど足しかないが)にしか障害は出ない。決して腕とか、首とかに障害は出ないのだ。

私の場合、ヘルニアという爆弾を抱えていたから、そういう事情もわかっている先生がいいのだと親が判断したのだと思う。

ちなみに、救急車という手段もあったのではと思われる方もいらっしゃると思うが、救急車の搬送先となる先となる病院にはその当時、整形外科の医師が不在で、市内の個人医院に運ばれることになっていた。

当然ではあるが、私の通っていた医院ではない。

また、田舎の人というのは滅多なことで救急車を呼ばない。救急車を呼ぶと近所の噂になるからだ。

そういうこともあり、親は自力という形で病院に運んだのだ。


隣町の整形外科(今後この病院をA医院と呼ぶ)に着くと、やはり父に背負われて待ち合いに入ったので、その場にいた全員に注目されてしまった。

どこからどう見ても見ても急患である。

看護師などに状況説明するも、状況自体がわからなかったので、とりあえず、朝起きたら左足の感覚がなくなっていたことと左の手足の脱力があったことを伝えた。

個人医院とはいえ、さすがプロである。

看護師は全く動じることはなく、病院備え付けの車イスに乗せてくれた。ただ、いきなり車イスに乗ることになったので操作方法が全くわからなかったので自力での移動はできず、常に親などに押してもらわなければならなかった。


そのまま、車イスの状態で診察を待っていると、私の前を通る患者さんは必ず私をジロジロ見ていた。

すごく情けなくて、訳もわからなくて、ずっと下を向いて耐えていたと思う。


そんなこんなで1時間近く経った頃、呼ばれた。


A病院の医師は手足の動かない状況を見て驚き、足が動かないのは腰のヘルニアの可能性があること、手が動かないのは腰ではなく、それよりもっと上に原因があるとのことで、頸椎MRIを撮ることになった。


人生二度目のMRIである。


撮り終えて、結果を聞いたのだが、医師からはとんでもない言葉が飛び出していた。


「普通の人よりも小脳が生まれつき少し下がっていて、そこから髄液が脊髄神経に流れ込んで、神経を圧迫する脊髄空洞症かもしれません。紹介状を書きますので、大きな病院(以後、B病院)に行って下さい。」


脊髄空洞症?なんじゃそりゃ?である。

字から推察するに、脊髄が空洞になる病気である。


後からわかったのだが、この病気はA医院の医師の説明の通りに脊髄神経に髄液という脳や脊髄の周りを覆うような液体が流れており、普通は脳や脊髄に入ることはない。しかし、何らかの原因で脊髄に入ってしまうこともあるそうだ。その多くはA医院の医師の説明通り、生まれつき小脳が普通の人より下にあることが原因となるそうだ。そして、MRIの画像で見ると、まるで脊髄に空洞ができたかのように映る、というわけだ。


そのままわけのわからないまま、紹介状をもらい、翌日の朝一番でB病院の整形外科に行くことになった。


歩けないのは不便だからと、A医院からの帰りにホームセンターで親にお年寄り用の杖を買ってもらったのを鮮明に覚えている。


そして、慣れない杖で車から家まで歩いて帰った時、重大なことに気づいた。


階段、上れない。


とりあえず、親に布団を持ってきてもらい、1階の客間として使っている和室に敷いてもらった。


その日はとにかく疲れていたので布団を敷いてもらってすぐに潜り込んだ。

ただ、足に力が入らないのは不便なことで、しゃがむこともできなかった私は布団に倒れるようにダイブした。

反動で少し腰が痛むけれど仕方がない。


この日から果てしないドクターショッピングが始まろうとは思いもせずに、翌日B病院に行くのに早起きしなければならなかったのでこの日は疲れていたのもあり、かなり早くに寝た。




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