第二十一章 名大教育学部、大規模塾

第二十一章 「名大教育学、大規模塾」

  私は名古屋大学の教育学部を卒業してから、名古屋の予備校、塾、専門学校で14年間非常勤講師をしていた。自分の塾があったので常勤講師はできなかった。その間に、河合塾講師にも駿台講師にも会った。南山女子の講師を兼任している人もいたし、著書を持っている講師もいた。だから、そういう類の先生がどういう人か経験的に分かっているつもりだ。

  それに、京都大学を7回受ける過程でZ会を8年間やり続けたし、河合と駿台と代ゼミの京大模試は10回受けた。そして、京大の英作文の添削を徹底的に研究した。それで、

「添削と訂正、模範解答がぜんぜん心に響かない。得点力が上がらない」

 と実感した。その時点で、英検1級、通訳ガイドの国家試験、国連英検Aj級の英語力があったし、アメリカで1年間中学教師をしていたし、ネイティブと10年ほどの交流があった。その経験から分かったことは

「この添削も訂正も、生活感、実感がないから心に響かないんだ」

 ということ。では、なぜ生活感、実感がないかというと体験がないからだと思った。一度もアメリカを見たことがない人が、アメリカの町を語っても空虚だ。

「こう書けば京大のボーダーを越える」

 と一度も京大を受けたことがない先生が語っても、むなしい。アメリカで住んだ経験がないのに

「ネイティブならこう言う」

 と解説されても何かが違うことは高校生でも感じる。

 

  皆さんは大学の経済の授業がつまらないと感じたことがないだろうか。それより中小企業の社長さんの話の方が面白いと思ったことがないだろうか。私は教育学部の教授が

「こうすれば学校の授業は面白くなる」

 という授業がつまらなくて学生たちが寝ている状況がおかしいと感じていた。

「現場を知らないで理屈だけの話をするとこうなる」

 という良い見本だった。

  私が大規模塾や予備校で40人中2番の人気講師だった理由の一つは、これだと思う。私は実体験から語っていたからだ。だから、英検の指導を始めた時も自分で受けてみたし、京大の受験指導を始めた時も自分で受けて確認した。

 センター試験は10年かけて10回受けてみた。

 

 予備校や塾の講師の経歴を調べたらすぐ分かることだが、学者系の人が多い。つまり、英語なら

「文法書や辞書にこう書いてある」

 という説明をする人たちだ。これでは、生徒たちが無味乾燥の砂漠を歩いている気分になるのは当然だ。Z会の添削は、毎回添削者が異なっていた。どういう経歴の人が添削をしているのかは公開されていない。でも、間違いなく学者系だと思う。

  京大模試の方は、出会った英語講師か学生アルバイトが採点しているのだろう。講師でも京大を受けた人は少ないだろうし、受験生の数から考えたら講師だけで採点しきれるはずがない。学生アルバイトを使っているのは間違いない。

  つまり、ここ中京圏なら良くて名大の学生アルバイトが京大受験生の答案を採点しているわけだ。関西圏でも、京大を落ちて同志社に行った生徒がバイトで京大受験生の答案を採点している可能性が高い。

 私は現実に、英検2級の先生が1級の生徒を指導している現場を見たこともある。四日市高校を落ちた講師が四日市高校の受験生を指導している現場を見たこともある。格下のものが、格上のものを評価するって変です。

 そして、こんな裏側を暴露すると業界では裏切り者扱いであることも知っている。しかし、これでいいのか問題提起をしないでいいのだろうか。ビルを建て、タレントを使って宣伝し、マスコミで煽る。こんな予備校や塾の講師が教育者だと言えるのだろうか。

 

  塾や予備校の講師は楽だ。どうせ、生徒のほとんどは自分の言ったことが正しいのか間違っているのか分からない。適当に言ってバレるのは、相手が賢い子だけ。そんな子は滅多にいない。 

  大多数の子は、講師の良し悪しが分からないから月謝が高いと良い塾だと判断する。入り口が立派だと良い塾だと判断する。タレントが宣伝している。そういう、どうでもいいことで判断する。

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