ほぼニート女がゾウに乗りたくてタイに1週間ひとり旅した話。 ~水かけ祭りと、ニセ韓国人と、ときどきマフィア~ 【その1:ニートからの卒業】

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 就職活動せずに短大を卒業してフリーターをしていた20歳の春。

一日をバイトと駄眠で終わらせるような鬱屈した生活だった。


毎日何もしなくてもお腹は減る、動かなくても眠くなる。

軽く昼寝をするつもりで目をつぶって、起きた時には日はとっくに暮れていて悲しくなった。


わたし
また今日も何もしなかったな…


そう思うと「時間」という有限な資源にガソリンをぶちまけて、ただただ燃えている様をみているような気分になった。

なにもしなくていいなら何もしたくない。いや、何かしたいけど、何をしたいかわからない。

なんだろうと自問しながら今日も眠っていた。ニート予備軍のような日常が退屈だった。


そんな時、アフリカの野生動物の特集がテレビから流れてきた。

ゾウたちが敵から小ゾウを守りながら群れをなしていた。


自然の流れに身をまかせて本能のまま生活をしているゾウたち。そんな堂々たる姿は私より生きているような気がした。


一瞬でゾウに夢中になった。近くに行ってみてみたい。ゾウに乗ってみたい。ゾウに…そうだ!!!


わたし
そうだ、タイに行こう!!!!!(歓喜


「ゾウに会いたい」その気持ちだけで、あっさりとタイのバンコク行きを決めてしまった。


アフリカではなくなぜかタイ。あそこにもゾウがいたはずだ。

あとは勢いに任せるのみ。気分は高揚していた。

何かが変わる。そんなワクワクで鼻血が噴き出しそうだった。


時間はいくらでもある。タイに1週間もいればゾウの1頭くらい会えるんじゃないか?

行こうと決めた1時間後にはタイ行きのチケットを買っていた。


わたし
アジアの人って顔が似てるし、ご飯もおいしいじゃん。だからタイ。言葉?え、英語?
はて?使えませんが?

タイのこと何も知らなかったし、それまで縁もゆかりもなかった。知ってる知識としてはタイ米って長いよねってくらい。死にたい。


言葉に関しても中学の時に受験のために英検3級受けただけでほぼ記憶が止まっていた。

ボディランゲージでいけるっしょ的なノリで突き進んでしまった結果、

冷静になったときには不安が襲ってきた。


わたし
(やっぱり行くのやめよかな…)


英語もまともにできない、女のひとり旅。

きっとやめることもできたが、すでに払ってしまった4万円の航空券代。

簡単にドブに捨てられるほど貴族体質ではない。


そんな時事件は起こった。


2009年の当時、バンコクでデモがあり銃撃戦で77人が負傷していた。

日本でもニュースなるほどだった。聞いていないフリをした。

湧きおこる感情をおさえ、能面のような表情でその場を耐えた。

母親に「あんたタイ行くよね?ヤバくね?」と半笑いで言われた。笑えない。

ノリでタイへ女ひとり旅 いよいよ出発!

出発当日はやっぱり不安で朝まで友達と一緒にいてもらった。

普段より多めにお酒も飲んじゃったりしてやっぱり怖かった。


わたし
(遺書とかいるかな…)

荷造りしてる時にふと頭をよぎった。

死んだらどうしよう。帰ってこれなくなったらどうしよう。


近くにあったペンでルーズリーフに遺書の「遺」の字を書こうとした。

しかし「遺」の字がわからない。そう、バカなのだ。

紙に細いペンで「いしょ」と書いたところでまたふざけたと思われる。


ひらがなの「い」でペンが止まり、

少しして「いきる」と書いた。




一睡も寝れずに荷造りも終わり、出発することになった。

4月中旬の朝の空気はほんのり温かくてとても気持ちがよかった。

軽やかな気持ちで玄関を出た。


まさかと思うけど、羽田空港行かないでよ
わたし
え、空港って何個かあるの?

その当時、国際線は成田空港しかなかった。

今まで羽田空港しか使ったことがなかった私は、

もちろんそこに行こうとしていたのだった。そう、バカなのだ。(デジャブ)


私は予定の時間から少し遅れて成田空港に着いた。



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ほぼニート女がゾウに乗りたくてタイに1週間ひとり旅した話。 ~水かけ祭りと、ニセ韓国人と、ときどきマフィア~ 【その2:タイ入国】

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