第三十六章 下町ロケット

第三十六章

「下町ロケット

技術者はみんな自分の無力さを知ってるよ!私が今日、娘の事で喜びを感じたのは特許のおかげなんかじゃない。この服のシワをどうやったら簡単に伸ばせるか。ただそれだけを思ってアイロンを創りあげた技術者の想いがあったからだ。例えこの裁判で負けたとしても・・・ナカシマに特許を奪われたとしても・・培ってきた技術力だけは決して奪えない!

 「下町ロケット」は面白かった。銀行はあのまま。私も経験した。調子の良い時は擦り寄ってきて、調子が悪くなると手のひらを返す。大企業も同じこと。傲慢で金儲けだけでロマンがない。例外はあるけどね。

 非難するつもりはない。銀行員は自分では独創的な仕事ができないから銀行員になっている。大企業はロマンではなくて、従業員を養うことが優先する。食うためなら何でもやる。 零細企業だって、ドラマだから感動的なだけで現実は大企業の言いなりで裏切られて夜逃げの上に一家離散なんてよくある話だ。しかし、金儲けに走ると独創的な開発が難しくなる。大きなリスクを取れなくなるからだ。

 TV番組は同じプラットフォームで、同じような俳優さんが演じていることが多い。しかし、ある番組は大ヒットして、ある番組は惨敗する。なぜか。それは、冒険できるか。そこに想いが込められているか。

 私は少林寺拳法の愛好家だ。黒帯を持っている。同じキックやパンチなのに、どうしてブルース・リーのキックは感動を呼び、他の格闘家のキックは感動を呼ばないのか。それは、彼自身が言っている。Emotional content つまり、気合だ。

  受験勉強も同じことで、同じ授業を受けて、同じ問題週を使っているのに学力に大差がつくのは何故か。もちろん、才能の違いはある。しかし、才能など結果の説明に使うだけで最初は分からない。見えない。

 できる子とできない子の違いは、いろいろある。基本的な生活習慣、ポジティブな人生観、豊かな感受性。そして、一番大切な「集中力」。こういうものが揃わないといくらマニュアルを見せても役に立たない。

 ある有名な小学生英会話教室が

「先生になる夢かなえます」

 という女性講師の募集を行っている。ここには、生徒目線がまるで無い。講師になる女性に夢を与えることだけが大切。教室を増やすことだけが大切。つまり、金儲けが大切。

 これも非難するつもりはない。家庭にいる女性に収入の機会を提供する立派な仕事だ。ただ、大人の論理と生徒の論理は違う。生徒には、女性講師が有能か否かが全てであって雇用状況など関係ない。

 コンビニのようにマニュアルどおりの授業、全国一律の教材。これでは一番大切な気合が入らない。工夫の余地がない。コンビニ弁当と同じだ。手料理の良さはない。 大規模化すると、どうしても人間らしさが消える。マニュアル化する必要があるから当然だ。教室ごとの違いが出ると困るので当然なのだが、残念なことだ。

 銀行員や公務員のような巨大組織の一員になると、個人の工夫の余地は全くなくなる。気合を込めたり、全身全霊の情熱を傾けるためには

「失敗したら全てが終わる」

 という過酷な中小企業の環境の方が適している。人生を賭けて勝負に出るリスクが火事場の場火事からを求めるからだ。もし、銀行屋さんが人を見る目があれば惨めな結果にならなかっただろう。肩書きや立場で人を判断するから痛い目をみる

 当塾の特別個人指導クラスは満席だ。地元中学のトップクラスの子や、四日市高校や桑名高校のトップクラスの子ばかりだ。なんで、そんな子たちが大規模校に行かずに田舎の小さな個人塾を選んだのか。それは、賢い子たちは肩書きで塾を見ないからだろう。

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