高校が大嫌いだった自分が高校教師をしている。
私は、第1志望だった高校を直前で志願変更し、安全策をとる形で違う高校に入学した。入学後、高校生活で楽しいと思ったことはなく、できるなら第1志望の学校に編入したいと思っていた。わがままですよね。もちろんそんなことはできるわけもなく、あっという間に3年間が過ぎ、卒業式では、「さっさと卒業証書渡して帰らせろよ!」と思ったほどだ。
とにかく縛りのきつい学校で、進路指導でも、国公立大学の合格者を増やしたいと躍起になっていて、「こうしろ!ああしろ!」ととやたら強制してくる感じだった。国公立の合格者を増やしたいのは分かるが、生徒の意志があまり通らないところなんだなと思った。私はそれが嫌いだったので、進路面談の時はプランを具体的に立てて先生に提案し、いつも5分くらいで終わっていた。学校が言う方針には従わず、全て自己流だったので、私のような生徒は、先生達からしたら大嫌いだったと思う。それから浪人し、とある大学の経済学部に入ったが、どうしても文学部に入って歴史学を学びたかったので、3年次編入学試験を受けて合格し、大学院の修士課程まで進んだ。
予備校・大学での生活は本当に楽しかった。今でも付き合いがあるのは、この時の友人がほとんどだ。(地元に帰れば、小学校・中学校時代の友人と遊ぶことはあるが、高校の友達はほぼない。)
学生生活を終えてからは、塾講師や高校の非常勤講師・常勤講師をし、現在は東京で某大手学習塾の教室チーフと、都内私立高校の講師をしている。自分としては、とても充実している。
さて、なぜ自分が現在高校教師をしているかということだが、大学に入るまでは、「教師もいいな~」と漠然と考えていた。しかし、大学に入って歴史学を学び始めてから、本気で教師になりたいと思うようになった。歴史学は、史料を通じて過去の人々と会話し、その声を聴いて文章にしていく学問であると私は考える。大変な作業だが、それを学部・大学院と楽しんでやってきたということは、要は私は人間が好きなのである。生徒達と一緒に勉強したり、色んな話をしたりするのが性に合っているんだろう思った。実際、教壇に立って授業をしていると、生徒達と一緒に楽しんでいる自分がいた。仕事ではあるが、もはやライフワークのようになっている。あと、中学・高校とバレーボールに打ち込んできたので、部活指導も好きだ。(高校時代はバレーはやってきたが、クラブ内の人間関係が悪く、雰囲気は最悪だったが…)私は、公立高校の教員を目指している。専門の日本史だけでなく、世界史・地理・公民も担当することになるだろう。だから、もっと勉強が必要だし、公民の免許状を持っていないので、通信過程で取得することも本気で考えている。あと、バレー部の監督をやりたいな。夢は春高・インターハイ出場…なんてね(笑)とにかく今は、塾もあるのでハードな毎日だが、とても充実している。
下手をすると、高校を中退して、今頃は何もせずボーっとしているだけだったかもしれないが、高校時代のこの経験があったから、精神的に成長できたのではないかと思っている。でも、第1志望の高校にそのまま入ってたら、どんな人生だったのかな~と妄想することも多々あるが(笑)
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