Bride of Japan 2015ファイナリスト 佐々木 瞳 『文化価値・時・時の大切さに関しての考え』
私は、7人家族です。
父・母・弟2人・祖父母がいます。
中でも、祖父は私にとって学ぶべきところが多い、偉大な存在です。
祖父は、小学校の校長を長く勤めていました。
その話を祖父は、私が幼少の頃からしてくれていました。
戦時中だったこともあり、今のように職業選択を自由にさせてもらえない中で、
勉強の成績がよかった祖父は、周囲の勧めで教師という仕事を選ぶこととなったそうです。
周囲の勧めでしたが、祖父は今でも教師という仕事を「天職」だったと話してくれます。
天職を証明するエピソードの1つとして、私が一番記憶に残っているのは、
「朝礼の挨拶」です。小学校の朝礼って、子供たちの話し声で、
がやがやしていることが多くありませんか。
「静かにしなさい!」と言っても、なかなか静まらないという経験は、
祖父が話すには、祖父が子供たちの前に立った瞬間、
そのがやがやが、ピタッとおさまって、小学生全員が祖父の方を向いたそうです。
最初、聞いたときは「本当に??」と思いましたが、
そのあと、祖父がいつも校舎を周り、子供たちと話し、
コミュニケーションをとっていたことを知って納得しました。
私が高校生の時、朝、よく挨拶をしにきてくれる校長先生がいました。
ソフトテニス部に所属していた私は、朝7時~テニスコートで練習をしていたのですが、
ふと気付くとフェンス越しに、校長先生が「おはよう!今日も頑張っているね!」と、
笑顔で声をかけてくれたことを覚えています。
廊下ですれ違った時も、生徒に必ず声をかけてくれる校長先生でしたので、
私を含め、他の生徒もとても声をかけやすく、
親しみを持てる評判の良い校長先生でした。
その校長先生と同様に、祖父もきっと多くの子供たちに愛されてきたのだなと感じました。
また、祖父は、学校で様々な改革を進んで行っていたこともあり、
多くの先生方にも慕われていたようです。
なので、定年を迎えた後も、年賀はがきが1000枚以上届くときもあり、
家族の誰よりも受け取っていました。
子供の時は、その数に驚き、もの凄く羨ましかったことを覚えています。
その祖父には、勉強だけではなく、
ときには、人として大事にすべきことも教えてもらいました。
その中でも、何度も口にしていた言葉は、
「仕事は10年したら、自分の仕事になる。」
「何でもいい。これだけは、人に絶対負けないというものをつくること。」
成長途中の私は、「絶対負けないもの」をまだ手にしてはいませんが、見つけつつはあります。
10年経過したとき、「祖父の言っていた意味が分かった!」と言えるように、(負けず嫌いなので10年より前に分かりたいです…。笑)今は目の前のことに没頭したいと思います。
そして、その祖父に最近、嬉しい知らせが入りました。
国から祖父に、職務をはたし成績をあげた人に送られる【瑞宝双光章】が授与されたのです。
祖父は、今まで私が見た中で一番嬉しそうな顔をしていたと思います。
「これが、祖父が全うしてきた仕事の結果なのだ。」と、私は心から祖父を誇りに思いました。
私も、人にとって学びとなる生き方ができるように、
日々、成長していきたいと感じます。
改めて、
御祖父ちゃん、おめでとう!
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