尊敬する人

たかだか39年しか生きていない人間だが、生まれてから今までの人生の中で、いちばん偉大だった人は誰か?
の問いに、私はある女性以外は考えられない。
以前にも私のストーリーに登場した人物だが、私が23歳~27歳まで交際した女性だ。
4歳年上とはいえ、あまりにも経験値と肝の座り方が違うため、私は当初自分の身に何が起きているのかわからない状況だった。
しかし、若造の私に、あまりにも美しいその美貌に抵抗することは難しく、どんどんとのめり込んでいった。
もちろんケンカもした。
しかし、彼女はケンカの仕方も心得ていた。
私にも母親の自殺や、外車屋での一般常識とはかけ離れた経験などをしていたが、彼女の人生に比べたら、ゴミみたいなもんだった。
1~2年くらい交際すると、私の価値観やものの見方、世の中の裏と表、人間の建前と本音、リスクとは何か、などを叩き込まれ、大抵のことでは驚かない体質になっていた。
最後まで状況は理解できても、受け入れることができなかったのが彼女の職業だった。
悪夢を何度も見て、ベッドから飛び出し、彼女に押さえつけられたことが何度もあった。
私は旅行に興味がないが、観光とは別の理由で海外の同じ場所へ2度行っている。
折しも植民地情勢の変わり目で、日本における平和ボケを正す良い機会になった。
そして私の性格が変わった。
根本にある気質みたいなものは変わらないが、その上にある性格が変わるということは人生で初めての経験だった。
10年以上たった今でもわからないことがある。
金もない、美男子でもない、将来性もない、こんな男のどこに彼女は惚れたのか?
その答えは彼女に実際に聞いてみないと、本当のところはわからないだろう。
でも、私のその後の人生を変え、見ているようで見ていなかった現実を見えるようにしてくれ、大げさに言うと諸行無常を全身全霊で私に教え込んだ人だった。
心から尊敬している。

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