脳出血で寝たきりになった父(障害1級、要介護5)とバーベキューした話(1)

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前編: 5年でハイリスク妊娠、中絶、離婚、再婚、出産を経験した私が伝えたい4つの事・後篇
後編: 脳出血で寝たきりになった父(障害1級、要介護5)とバーベキューした話(2)

はじめに

 父が倒れたとき、私は藁にもすがる思いで、同じような症例を「Yahoo!知恵袋」等で検索し、その後どうなったのかを調べました。

 目覚めるの?

 意識は回復するの?

 家には帰れるの?

 もちろん、人それぞれだという事は百も承知です。

 しかし、それでも、少しだけ救われたのも事実です。

 父の発症から1年。

 このストーリーが、誰かの希望になるかもしれない。そう願って綴ります。

2014年10月29日

 午後21時。

 私は、2歳の息子「ふう」を寝かしつけていた。

 ふうは保育園には通っておらず、

 ・夫の勤務先であるデイサービス

 ・我が家(同居のお姑さん)

 ・私の両親

 の3箇所で順繰りに預かってもらっていた。

 明日から木曜・金曜と、うちの両親が息子の面倒を見てくれる日だった。

 うちの両親は、自転車で1時間弱の位置にある小さな山に、頻繁にふうを連れて行ってくれていた。

 しかし、先週はふうの風邪で行けずじまいで、父はがっかりしていた。

 明日は天気もいいみたいだし、きっと連れて行ってくれるだろう……。

 と、そのとき、スマートフォンから着信音が流れた。自宅だ。

「あ……もも?」

 母の声。

「うん。どうしたの?」

 いつも21時には就寝する母が、珍しいなぁ。そう考えたのもつかの間、

お父さんが……お父さんがね、塾で倒れたのよ……

 母は震える声で、我が家から近い総合病院の名前を告げた。

「お母さん、今から病院に行ってくるからね。だから悪いけど、ふうは明日預かれないよ」

「私も今からそっち行くよ」

「いいよ。もう遅いし。ふうちゃんも寝てるでしょ。じゃあもう病院行くからね。切るよ」

 そう言って、母は電話を切ってしまった。スマホを握ったまま、その場で呆然とする。

「おい、今の電話、誰?」

 夫が私の肩を叩き、我に返る。

「あ、うちの母親。あのね、お父さんが、倒れたって。でも、来なくていいって」

「は?」

「ふうも、もう寝てるし……」

「何言ってんだお前。親父さんはなんで倒れたんだ?」

「わかんない……」

「もう。俺が車出すから。行くぞ。着替えて。」

 夫は私の腕を掴んで引き起こし、ふうを軽々と担ぎ上げた。

 

 

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