脳出血で寝たきりになった父(障害1級、要介護5)とバーベキューした話(3)

1 / 2 ページ

前編: 脳出血で寝たきりになった父(障害1級、要介護5)とバーベキューした話(2)
後編: 脳出血で寝たきりになった父(障害1級、要介護5)とバーベキューした話(4)

※ この話は、こちらの続きになります。(1) (2)


 私達姉妹3人は、今後の相談用にLINEでグループを作り、それでやりとりすることになった。

 まずは10月中に、来月以降の父の携帯の料金引落しを止める必要があるので、あいと母で行ってもらった。

 携帯電話会社に事情を説明すると快く応じてくれた。5年間まで利用停止できるそうだ。

 ただし、解約については、自力で解約できない旨を証明する、病院の診断書が必要らしかった。

 携帯のロックを解除するための4桁の番号は、結局わからず仕舞い。

 これは携帯電話会社でもどうにも出来ない。

 もしかしたら父が回復して、直接確認できるかもしれない……。

 そう思い、解約については一旦取りやめることにした。


 それから、限度額認定証の申請もすぐに行った。

 これは、塾の総務全般を担当している人にお願いした。もう70近い人だ。

 塾は当面、講師を退いていた社長が自ら教壇に立ち、残った大学生と切り盛りすることになった。

 今年度いっぱいは、来てくれる生徒の面倒をみようと。父のためにも。


 あとは、父が乗っていたバイクの売却もしなければならない。

 父は、私達が成人した後、維持費のかかる車を売ってバイクに乗り換えていた。

 バイクをどうするかについても、できれば父から直接どうするか聞きたかった。

 ただ、家族で父以外にバイクの免許を持っている人はおらず、軽自動車税の問題があるので、早めに結論を出さなければならなかった。

 とりいそぎ、バイクの任意保険については、解約・返金してもらった。

 


 週明け、私は仕事を早めに切り上げ、父のいる集中治療室を訪れた。

 手をしっかり消毒し、マスクを付けて入室する。

 父は、相変わらず、大きないびきで眠っている。

 口には呼吸器のようなものをつけていた。


「お父さん、夢の中で、魚でも釣ってるのかなぁ……」

 そんな父を見ながら独りごちる。 



 父は、漁師になるのが夢だと語っていた。

 いつか塾の仕事をやめたら、マンションを売って海のそばに小さな家を買い、そこで暮らしたいと。

 

 父は大学時代に人生に思い悩んだ末に放浪していたことがあった。

 そのときにしばらく、地引き網漁のお宅にお世話になっていたことがあるらしかった。

 これは、母からの又聞きだ。

 この頃の話、もっと積極的に聞いておくべきだった……。

 いつでも聞けるから……。そう思って、結局聞けずじまいだった。


みんなの読んで良かった!