ほぼニート女がゾウに乗りたくてタイに1週間ひとり旅した話。 ~水かけ祭りと、ニセ韓国人と、ときどきマフィア~ 【その10:象使いのミヤサコ】

前編: ほぼニート女がゾウに乗りたくてタイに1週間ひとり旅した話。 ~水かけ祭りと、ニセ韓国人と、ときどきマフィア~ 【その9:ニセ韓国人のユジン】
後編: ほぼニート女がゾウに乗りたくてタイに1週間ひとり旅した話。 ~水かけ祭りと、ニセ韓国人と、ときどきマフィア~ 【その11:さよならバンコク】

陽気な象使いのおじさん

私を乗せたトラックはゾウ乗り場の施設の前で止まった。

ガイドは「ここで待ってるね」と売店の前のベンチに座った。

ドキドキしながら入るとゾウの鳴き声が聞こえた。


ゾウだ!ゾウ!

そこには背中に椅子を乗っけたゾウが何頭かいた。

入口でチケットを買い、待っているとひとりの象使いがやってきた。


象使い
はぁあ~い!サワディー!
アナタ ニホンジンネ? コンチワー!

その象使いは異様なテンションでやってきた。

え、お酒飲んでる?ってくらいの勢いがずっと続いた。


私はその象使いのおじさんをミヤサコさんと呼ぶことにした。

もちろんタイ人なので本名ではない。なぜなら


象使い
みやさこぉ~です!
みやさこぉ~です!
はい、オッパッピー!!


みなさんご存じのギャグを連発していたからだ。


ミヤサコさんの案内でゾウの前までやってきた。

ゾウは近くで見ると大きくて迫力があった。

つぶらな瞳で私をジッと見つめてくる。


手のひらをゾウに見せるとそれを確認するように湿った鼻でパフパフと触ってきた。


わたし
かわぇええ。(うっとり)


この時点で感動してすでに泣いていた。





ミヤサコさん
はぁ~い!!
ゾウに乗るよー!
オッパッピー!!!


感動を突き破るかのように入ってきたミヤサコさん。

彼が合図するとゾウは腰をおろし乗りやすいように小さくなった。


ミヤサコさんはゾウの首もとに乗り指示を出していた。

ゾウの背中は思ったより高かった。ゾウが動くと乗っているイスも動きに合わせて揺れた。


私がいつも遠くから見ていたゾウは、

ほとんど想像上のゾウだったことがわかった。


ゾウの頭に生えている毛は硬くて針金みたいだし、

皮膚はタイヤのゴムのようだった。


近くで見たゾウは「ぞうさん」みたいなかわいい雰囲気ではない。

「象」って感じだった。(わからないか 笑)


ミヤサコさんは象乗り中もずっと陽気だった。


ミヤサコさん
みやさこぉ~です!
みやさこぉ~です!

はい、オッパピー!!


ここまでしつこく言われると、

なにがおもしろいのか分からなくなって笑えてきた。


写真も撮りたかったがバンコクに来て早々に壊れているので、(その6参照)

ゾウの背中の上から見える景色を心に刻んだ。


アユタヤからバンコクへ

ガイドが運転する車の助手席から窓の外を見つめながらゾウの余韻に浸っていた。

ゾウからパワーもらったおかげでこれから頑張れる気がした。


ガイド
…ジン、……ユジン!
わたし
…はっ!はい。

そうだ。私はユジンだった。(その9参照)


今日はどうだった?


と、ガイドが聞いてきた。

なぜ今まで車の荷台の席に座っていた私が助手席に乗っているかというと、

ガイドが「もうこれで最後だから、話しながら戻ろう」と言ってきたからだ。


この男がガイドの仕事をしていたかは謎だが、

特に問題なく帰れそうなので助手席に乗ることにした。


楽しかったよ。ゾウ最高。
それはよかったね


和気あいあいと話していると、

ガイドが急にシリアスなモードになった。


ねぇ、ユジン。
I LOVE YOUって
韓国語でなんて言うの?

まさか、と思った。


このあとの展開が読めすぎていて、

これ以上話すのをやめてくれと思った。


えーっと。
「チェゴ」だよ
…ユジン。


チェゴ(キメ顔)


なぜこいつは突然告白してきたんだ。なにを勝算に言っているんだ。


しかも、愛しているは「サランヘヨ」だ。

チェゴは「最高」という意味である。


空気を察してとっさに嘘を教えた。ごめんね。

観光客とガイドの関係からの距離の詰め方が急すぎて引いた。


そしてガイドは続けた。


今日アユタヤに泊っていけば?(ゲス顔)


日本で声をかけられたことなんてない非モテの私が、タイに来たとたん異様にちやほやされる。


これは女ひとり旅の特典なのか。それとも今までこの方法で女性が落ちたのか。

モテるというか、もはやバカにされているような気がした。

オス出してんじゃねーよ。とイラついた。


友達がバンコクで待ってるから(能面顔)

とさらりと魔法の呪文を使って回避した。


そうこうしているうちに車がバス停に着いた。


ガイドからのハグをさらりとかわし(空手黒帯初段保持)、

せめて握手だけでもと右手を差し出されたので

巨人の原監督のグータッチでその場を収め、

バンコク行きのバスにふわりと乗車した。




そして明日、日本に戻ります。






つづく!!

怒涛の更新するぜ!

続きのストーリーはこちら!

ほぼニート女がゾウに乗りたくてタイに1週間ひとり旅した話。 ~水かけ祭りと、ニセ韓国人と、ときどきマフィア~ 【その11:さよならバンコク】

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