第六十九章 出すぎた杭は打たれない

第六十九章

「出すぎた杭は打たれない」

  私は小学生の頃からマイペースすぎて、母親にはノロマと言われていた。周囲の人が何を言っても関係ないと思っていた。学校は嫌いだったし、教師の言うことなど耳を貸さなかった。そういう生き方のプラスとマイナスの面はよく分かっている。

  プラス面は意識しなくても差別化ができること。自分の生き方そのものが多くの方と違っているので意識しなくても他塾と違ってくる。マイナス面は、友達がいなくなること。「変なヤツ」と思われる。コインの裏表だし、私は友達の必要性をあまり感じないので問題ない。

  誹謗中傷もあるが、

「出る杭は打たれる」

  と見ている。最近は、

「アイツは打っても退却しない」

 と思われているようだ。世の中には必ず人をこきおろしたい人がいるので気にしても仕方ない。関わらないのが一番。放っておけばいいのだ。正直言って、そんな人に構っているヒマがない。

  朝起きたら、北海道から九州まで通信生から添削原稿が山ほど待っている。添削して返信したら、次は塾の授業のための準備が待っている。そして、夕方からは授業だ。授業が終わったら、生徒たちから質問のメールやファイルに答える。そして、就寝。

「お前の母ちゃんデベソ!」

 式のイタズラを相手にしている暇はない。そのお陰で、今年は初めて京大受験生が10名を越えるかもしれない。賢い子は、アホな人の誹謗中傷があると

「あんなアホが悪口を言うのなら、良い塾に違いない」

 と逆に信用してくれる。だから、私がアホな人の誹謗中傷は塾の評価を上げてくれると歓迎している。ただで塾のために働いてくれているのだから、感謝してもいいくらいだ。

  四日市高校、桑名高校、川越高校、京都大学、大阪大学、名古屋大学などの受験生は論理的で一生懸命に勉強していく子たちだ。その解答は美しいことが多い。合格の可能性が高い。頑張っている子の背中を押したくなるのは人間の当然の気持ちではないだろうか。

  逆に、人を誹謗中傷するしか出来ない人を見たら誰でも相手にしないし関わりたくない。私が一切、そういう人を相手にしないと分かればそのうち諦める。病気の人には感染しないように距離を置くのが常識ある行動だ。

人は失敗し、叱られてマナーやエチケットを身につける。中学生くらいまでに、それが身についていないと手遅れだ。大人になったら、周囲に迷惑をバラまくだけの人間になってしまう。

  人生を楽しい、意味のあるものにするには自分の大切な人を支えることに使うべきであってワガママで破滅していく人に巻き込まれるべきではない。

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