第八十一章 睡眠学習機&キオークマン

「睡眠学習機&キオークマン」
 昭和40年代には下記のような怪しげな広告が少年雑誌によく載っていた。寝ている枕元で公式やら年号やらをテープで流す装置だ。すると、寝ている間に全て頭の中に入る記憶マシーンというわけだ。

  私の友人の佐藤君は
「オレ、すっげぇ安い記憶マシーンの広告見た。もうすぐ届くぜぃ!」
 と言うので、後で見せてもらったら紙で出来たバナナのような形をした円筒形のものだった。一方を口に当てて一方を耳につける。そして、口元で英単語をささやくと耳から音声が聞こえて直接脳を刺激するという代物だった。
Amazonより

ITキオークマンとは
 
「目で見る」「声を出す」「耳で聞く」という3つの知覚刺激を大脳に伝えることで、学習能率をアップさせる学習用機材。
ITキオークマンの使い方は
   例えば英会話を学習する時、テキストを黙読するだけではなかなか覚えられないが、声に出して音読することで、記憶の手助けをすることができる。キオークマンを使うと自分で発音した言葉がマイクとヘッドホンを通して耳にかえってくる。目で見て、声に出し、耳で聞くと言う3つのことが同時になされることで、更に記憶の効率がアップされる。また、ヘッドホンをつけることで外部の雑音を遮断することができ、さらに集中力もアップできる。

  「スピード・ラーニング」というのもある。音声を流しておけば外国語が自然と身につくそうだ。
  他にもタブレット教材、パソコン教材、衛星を使った動画配信。ネイティブの指導から、大規模なLL教室に、留学。
  私たちの予備校や塾業界でもある。豪華なホテルで合宿とか、駅前の一等地の巨大ビルだから安心。あるいは、有名タレントがジャンプするCM。有名アニメのキャラが踊るから信用してください。そんな経営方針だ。
  私たちが生徒の頃は、相対評価の通知表だった。上位の7%だけが「5」だった。何が怪しい教材かどうかは、この上位の7%の子しか理解できなかった。今もそうだ。中間層の最大多数は
「楽してよい成績を」
 と思っている。そして、サギに引っかかる。難関大に合格するには、英単語は6000語、数学は2000題が必要。統計はそう教える。どの参考書でも、どの問題集でもいいんです。ダメなものは自分で分かる。自分で分からない程度の勉強量なら、どれで練習しても変わらない。
  自分の手を動かさずに、キオークマンなんて安直な方法を考える時点で終わっている。私はそんな生徒は要らない。もちろん、高校も大学も要らないだろう。会社も要らない。怠け者、愚か者を欲しがるところなんて無いのだ。
  ところが、学校とか受験指導の場で
「四高を落ちた講師が、四高受験生を指導?」https://youtu.be/Ocouy7L3x9Y
「2級の先生が、1級の生徒を指導する?なんか変」https://youtu.be/C4xAkpjlikU
 といった動画をアップしたら、蛇蝎のごとく嫌われた。本当のことなのに。受験指導なんて、睡眠学習とかキオークマンの出番はまったくない。数学の問題を解く。分からない問題があったら講師に聞く。つまり、先生がすべてだ。
  時給2000円の学生アルバイト講師に質問するとどうなるか?河合塾のチューターに、私の塾生は不満を言う。
「質問しても答えられない」
  学校の教師についても不満を言う。
「今度までに考えてくる」
 90分指導のときに、これをやられたら90分で1問に答えるので終わる。しかし、私に尋ねると毎回平均4問か5問は解説している。つまり、学生アルバイト講師なら単価が1問2000円。私なら1回の指導が倍の4000円だとしても、1問1000円。半額で済む。
  しかし、それは上位の7%の子には通用する論理であって、バカな生徒は睡眠学習機に何十万も払ったりする。そういう子は救いがない。
 円筒形のプラスチックを持って、ささやき続ければいい。

そんな懐かしくも、甘酸っぱい昭和のアバウトな時代なのですが、そんな昭和らしい、怪しくも魅惑なグッズも、結構あったものです。そんな怪しさ満点でありながらも、なうなヤングや、チビッコ達を虜にしたマシンに、睡眠学習器があります。

 

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