【家探し】脳出血で寝たきりになった父(障害1級、要介護5)とバーベキューした話(12)

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前編: 【家族の決断】脳出血で寝たきりになった父(障害1級、要介護5)とバーベキューした話(11)

※ この話は、こちらの続きになります。(11)
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 新しい家探しが始まった。

 しかし、これも色々問題があった。


 まずは、今住んでいるマンションが売れるのか、ということ。


 実家のマンションは、残念ながら駅近ではない。一番近い駅からも、徒歩で30分かかる。

 バスを使えば10分だが、利便性は落ちるだろう。

 じゃあ車で移動しよう、という話になるのだが、駐車場が無い。

 今のマンションは戸数に合わせて駐車場も100%確保するようになっているようだが、このマンションが建った80年代にはそのような規定がなかった。

 父は60代になって維持費のかかる車を売却してしまい、バイクに乗り換えた際に駐車場も手放してしまった。

 更に、エレベーターが止まらないので、シニア世代には敬遠されてしまう……。


 不動産屋によると、買い手が見つからない場合、下取りという形も取れるようだが、それだと父が苦労して何千万もローンを払ったマンションが、たった数百万円になってしまう。

 売れないと、自分たちで固定資産税や共益費を払い続けることにはなってしまうが、それでも下取りは父の為にも極力避けたかった。



 退職金はないが、幸いにも、中古の小さな一戸建てを買う位の貯金は父が作ってくれていた。

 子ども3人を育てての貯金は大変だっただろう。頭の下がる思いだ。

 マンションの売却は後回しにし、手持ちの貯金、爪に火をともすように両親が節約して貯めた貯金で、家を探すことになった。

 ただ、私としては、節約して貯金するよりも、いっぱい好きなことをして遊んで欲しかったという想いもある。

 喜ぶべきかどうか、複雑だ……。


 S市はあきの職場から遠かったため、あきには社宅に転居してもらい、父と母が二人で暮らせるサイズの家を探すことになった。


 まず、S市の市営住宅を検討してみた。

 父は障害者手帳1級を持っているので、その点では優遇してもらえるかと思った。

 しかし、そもそもまずS市民になる必要があった。

 (市町村によっては、入居の際に市民になっていれば、今は他市町村に居住していてもOKというところも多いようだが……)

 また、市営住宅はエレベーターがない団地も多く、車いすの父が暮らせる1階が空くのには時間がかかりそうだった。

 次にUR等の賃貸住宅に引っ越して、それから市営住宅の空きを待つという方法を考えた。

 しかし、母は何度も引越しするのは大変だし、家賃の心配を毎月したくない。

 できれば購入したいという意志を示した。

 それももっともだった。


 一戸建てを購入したい。

 しかし、S市内は交通網も発達して栄えていることもあり、土地の値段も高く、なかなか予算に見合う家が見つからなかった。

 予算にあうのは、築30年以上で、自分たちで300~400万円位かけてリフォームしなければ住めなさそうな家ばかりだ。


 マンションであれば、築30年以内で、予算内に収まりそうだが、それも母は嫌がった。

 毎月の共益費も負担だし、もうマンションはこりごりだという。

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