徒然に連れ

振り返る 過去の苦労

積み上げた 日々の暮らし

しかし 思う


結んだ糸解れ 一緒なのに独りぼっち

一生って誓い合い 歩んで来た二人の道

だったのだからこそ

書き始めた一冊の私小説 

今一体何ページに至ったか

止まった季節 停滞した冬至

昔のアパート暮らし 

狭さすら感じてたんだよ 当時

今じゃ互いの部屋 毎晩ドアは閉じ

彼らは後姿 空間埋めるのは愛でなく何であろう

彼らの姿 見ては 思う 


気持ちは あなたを呼んでるはずなのに

引き留めたい想いとは裏腹に

引き潮のように言葉は彼方に

離れ離れの手 互い重なるわ 空白の日々 

微妙なすれ違いが 一秒毎に刻む距離

二人 まるで空気のように当然で

二人 まるで水の流れに任せる様に


それ故か 

愛は 優しさから許容と妥協 暗黙へ

関係の建設から関係の維持へ

移ろいだのだろうか 季節のように


私が君を好きになって何十年

君が私を好きでいたのは一体何十年


愛を 呼び起こして もう一度

愛は 二人から手放されたわけでなく

心に閉まってしまっただけなのだから

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