(´・ω・`)時給680円の話

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そこはローカルな街の駅前のある意味ビレバン的な100坪の文房具店。

僕が18歳の時時給680円のアルバイトをしていた。


その年、当時僕の倍の年齢の店長がやってきたが、そして転任3日以内でそれまでのノウハウのある人材を全てクビにしてしまった。気に入らないという理由で!

POSも設置されておらず商品は何があるのかまったくわからない。

後でわかってきたことは店に設置できる商品点数は数万点だった。

この時在庫している品物のデータベースは一切なく、客は1日に400人超1人辺りの客単価は700円1日の売り上げ平均は28万というところだった。

僕はそれまで普通に高校生だったため、週2〜3程度1日あたり3〜4時間をレジを打つ品出しをする掃除をする程度の内容の仕事経験しかなかった。


単なる高校卒業したばかりのアルバイトが傾いているお店を任された?!


さて、データベースもPOSのようなコンピューター管理されたレジシステムもない。

さらには駅前の店舗であり、割と品物は日々急速に減っていく中で、棚はどんどん空になっていく、そこに何があったのかもわからない。

極めてとんでもない状態だが店長のやっている仕事はといえば、キャラクター製品を、販売スペースに、取引先営業(可愛い女子達)と愉快に話しながら注文して適当に埋める。と言う流れで、自分の気に入った女の子をアルバイトとして採用する、というこれはつまりジャイアニズムANDハーレム状態?

自分の招いた状態をわかっているのか?!


このレベルの無茶振りがよくあることであるのかは全くわからないが、全く普通のビジネスにおける状況ではないだろう。

しかし、僕はこの状態を結果的には最大限楽しんだわけだが、この最悪の状態をいかにして改善して売り上げの激減していくこの状況をどのように急激に変えるためにアプローチするかを考えることになる。

僕は得意と言えば子供の頃からゲームを作るなどのプログラムを作るという趣味に尋常ではないかなり長い時間没頭していたため(この頃の顛末は別の話で)、とりあえずシステムを作るという意味での持てる能力をフルに応用することにした。

まずは、品物を補充していかなければならないがもはや棚に品物もなく何が売られていたのかもわからない。結局のところ文房具店として何を店頭に並べるべきかそうでないか、どのような製品がありその中からどのような商品構成で店舗を作るかを決定しなければならない。


数万点はある品物の全てをいきなり把握できるはずがない。

まずは問屋の営業の中年男性と相談しながらひとまずの注文を進めながら休憩時間やレジの空き時間など全ての時間をフル動員して全てのカタログに目を通し、また全ての取引先に持っている全ての資料、パンフレットを送るように通達して、数ヶ月間でおそらくその時点での最先端の商品情報を把握するところまで持っていった。

POSのシステムやデータベースはないが、店の棚の全てにどの製品をどの位置に配置するかをラベルを付け、取引先からの提供による見出しのための器具やディスプレイのための備品、見やすい展示のためのディスプレイ方法の変更など、様々模索しながら改善を進め、9カ月後には状態は改善に至り客平均は400〜450での微増だが客単価は1000円を超え400人なら1日40万程度のバランスでの売り上げに変わった。

この時特にわかったことは、日々様々取り組んでいると、アルバイトだけではなく、取引先や諸々の協力者が増えていくということだ。それにより様々工夫し試行錯誤することのできるバリエーションが増えその分検証を進めることができる。


この間の取り組みの中で会社の次長、幹部と懇意になり、さらに社長に気に入られたことによりリーダーとして正社員としてのスカウトを受ける形になった。

そして翌年度の春で上記の店長は転任を打診されたが希望退社してしまい、僕は入れ替わりでリーダーという形での配属に至った。時給680円から手取り16万5千円の月給へ。(ただし時給680円でも月あたり300時間は働いていたため月収では元々20万超だった)

初めはこの待遇だったが業績は右肩上がりで1年経たずに月収は30%増額し手取りで20万以上に増えた。(最終では25万近いと記憶)


この期間で、新規の取引先が増えたり、他の文房具店を観察して様々改良を加えたこと、業務におけるシステムをカスタマイズして仕事の流れをシステム化したこと、店舗の空間には上限があるが、様々な顧客に対応するためには、店頭になければならない商品の平均的な量を算出して、この品物はこの位置にどの数量配置するか、配置できないものはバックヤードに集めてしまうか、または翌日には取り寄せできるという状態で問屋との体制を構築して売り損じの確率を減らすようにしたこと、またそれにより限られた空間でより多い品揃えが実現できるために狭い陳列コーナーであっても百貨店に近い品揃えを実現しその代わりに人の手で量の問題については対応する方法を採択したこと。

また、各商品についてリーダーが目を配るがジャンル毎に最低一人ずつの担当者を配置して、リアルタイムな商品調査や商品入れ替えによる変化による傾向を見るなどを徹底したことによって、細かいところまで目が行き届くようになったこと。

またコミュニケーションが闊達化することと、意見の交換ができるようになり複数人の意見で結論が出せる形になったこと。

これにより人材育成の機会なども増え、個人的にはマイナスは何もない得るものの多い機会であった。


その後、この店舗ではやりたいことはやり尽くして音楽活動や学習、新たなことへの挑戦のために時間を当てたいというところで円満退社に至った。


ブラック企業云々で言うならこの時の仕事とは確実にブラックな状態だと思うけれども、自分の力で何かを変革するという方法もあるのだ、ということをこの時点で認識することができた。

みんなの読んで良かった!