【新しい家へ】脳出血で寝たきりになった父(障害1級、要介護5)とバーベキューした話(13)

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後編: 脳出血で寝たきりになった父(障害1級、要介護5)とバーベキューした話(14)

※ この話は、こちらの続きになります。(12)

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 5月に入り、母の気に入った家が見つかった。

 母の姉の家と同じ町内にあり、リフォーム済み。そして小さな裏庭があった。

 母がその裏庭をとても気に入ったのだ。これで思う存分ガーデニングが楽しめる、と。


 私からすれば、その裏庭を前に持ってきて、駐車スペースにしてほしかったという思いはあるが……。


 まあそれならもっと高かっただろうし、すぐに売れていただろう。

 それに母はそもそも車の免許がなかった。

 今後頻繁に家に介護の業者が来ることを考えれば、駐車場があることが望ましかった。

 しかし、道の脇に少しなら停車できそうなスペースがあったので、そこを使わせてもらえばクリアできそうだ。


 段差は30センチほどあったものの、前にみた家と異なり、父の部屋の窓から、道の真ん中あたりまでスロープを伸ばせば、外に出ることもできた。


 私がもっとも気にしていたのは、築年数だった。

 1981年に建築基準法が改定され、新しい耐震基準になったが、その家はそれよりも前に建てられたものだった。


 母にそのことを訴えると、


「あんたね、姉さんにもその話したけど、「そんなの、私の家もそうだわ。40年以上前に買ったもの」と言ってたよ」


 と、一笑に付した。


 それはそうかもしれないが……でも娘としては、気になって仕方がない。


 そこで、夫にそのことを話してみた。

 母が気に入った家があり、買う気まんまんだと。

 でも私は耐震が気になってしかたがないと……。


 話し終えると、夫は予想外の行動にでた。

 いきなり、腹を抱えて笑い出したのだ。

「ええっ、何がおかしいの?」

 真剣に、悩んでるのに。!

「えっ、そうなんだ! 決めたんだ! すごいじゃん!」

「何がすごいのよ。地震が来たらどうするの!?」

「だってさ、考えてもみろよ。お義母さんは、これまでずっと、お義父さんの決めたことにしたがって来たんだろ?」

「そうだけど……」


 我が家は完全に亭主関白で、これまで、色々なことは全て父が決めていた。


「そのお母さんがさ……介護なんて出来ないってさんざん言ってたお義母さんがさ、えいやっ! で決断したんだよ。すごいことじゃん。すごい進歩だと思わない? 心配なのはわかるけどさ、一人の大人が決めたことなんだよ。それは、尊重した方がいいよ」

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