愛は国境を貫く・・・NYで花開く私のグローバル恋物語(その3)。本音の話をしよう!

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前話: 愛は国境を貫く・・・NYで花開く私のグローバル恋物語(その2)。

男女が出会って、付き合うと決めた時、お互いを選んだ責任があると感じていますか?私は、そのことに気づいたのです。


私は、その責任を果たすために、Jackyに会いに行きました。


恐ろしく厳しくて、忙しい職場でありながら、上司に休暇を申請したのです。それも、「彼女との話し合い」のためです。日本なら、考えられないですよね、「恋愛沙汰で休暇を取る」なんて。


しかしながら、どうやって上司に言えば良いか?それが問題でした。


そこで考えました。


始業1時間前に出勤して、上司に言うこと。それが、本当に切羽詰まった状態だと、上司に伝わると思ったからです。


期待通りに、上司は朝早くから出勤していました。上司と個人的に話すには、「早朝がいい」。それが、アメリカ生活で身に付けた技なのです。


「Tom(トム)、話があるんだ。」

「何だい?」

「フィアンセが、怒って帰ったんだよ。」

「それで、どうしたいんだい?」

「一度話をしに行きたいので、一週間休暇が欲しい。」

「わかった。いつから行く?」

「明日から・・・」

「いいよ、あとのことは、同僚がカバーするから・・・」


あまりの期待どうりになったので、びっくりしてしまいました。


同僚が出勤した時には、すでに休暇を取る準備に入っていました。


「みんな、私は、彼女を愛している責任を取りに行って来る。だから、あとのこと、よろしくね。」


同僚は、びっくりしていました。今まで聞いたことのない私の在り方に、驚いたのです。


「行ってらっしゃいよ、みんな応援するから・・・」


私は、うれしかったんです。みんなが応援してくれていることが。正直に自分の思いを言うことが、相手にそのまま伝わって行くと気づきました。


第一回目の話し合いに行きました。


NYの空港に着いた時、しっかりとメイクしている彼女がいました。思い切りハグして欲しいって感じでした。その通りにしました。それから、彼女の家に向かいました。


「娘が、飛んだことをしてしまって・・・」


お母さんが、とても辛そうに言いました。事の重大さを感じているのは、母親であるお母さんです。


それから、家のまわりを歩きました。生まれて初めて、「大西洋」を見ました。そこの住民がどれだけ個人的な生活を大切にしているかを、感じ取りました。


「静寂」


歩く足音しか聞こえません。自然を守り、商業施設を建てるのを長く反対して来た歴史。


平日は、鬼のように働き、週末は家族と一緒に過ごす。


極当たり前のことが、私には全く出来なかったのです。私の中で欠けているものが、ハッキリ見えて来ました。


恋人達が金曜日の夜をどう過ごすのか?


週末は、どんなことをしているのか?


勉強と仕事しかしたことのない私が、「個人の生活」を考えた時、何も出て来ないのです。


「人生って、何だろう?」


私は、彼女のなにを知っていたんだろう?


「付き合っていると言っても、何も知らなかった・・・」その事実に、直面しました。


そして、第一回目の話は、終わりました。


それから半年して、今度は大学院時代の友人の結婚式で会いました。


その時の話が、全てを語っていました。


結婚式が終わった翌日、ふたりでケンタッキィ・フライドチキンに入りました。


チキン好きの2人なんです。


そこで、Jackyが重い口を開けました。


「実はね、あなたに言わねばならないことがあるの・・・」

「なんだい?」

「私ね、実は、abortionしたの・・・」

「abortionって、なに?」

「I killed my baby. I was pregnant. But I didn't want my baby.」


それが、中絶だと分かりました。


「もう言わなければ行けないと思ったの。あなたが正直に私に会いに来てくれたから。

私はね、メキシコ留学で、ある男性と出会ったの。その彼が、毎晩アパートの前に来て、2階に住んでいる私に向かって、ギターで語りかけるの。参ったわ。それから、親しい関係になったの。


でもね、全く働かないだらしない人だったの。それから、妊娠していることが分かったの。私は、彼の子どもは欲しくなかった。だから、中絶を選んだの。


でもね、私は『カトリック教徒』なの。中絶は絶対してはいけないの。子どもは、神様からの授かり物だから。


あなたの家に行った時、お寺に連れて行ってもらったでしょ。その時、水子地蔵を知ったの。それが、とても印象強かった。日本人は、こうして命を奪われた子どもを大切にしているんだと、気づいたの。


それから、ずっと毎日教会に行って、懺悔をしてきたの。毎日、毎日、『私は、悪い子です』って。許されることではないの。


辛くて仕方なくて、敬虔な信徒である両親には言えなかった。ずっと我慢して来た。妹だけには告白したの。


私は、もう結婚はしないって決めたの。だから、あなたとも・・・」


私は、その話を聞いた時、「今日来て良かった」と感じました。こんな本音の話を聞くことが出来たからです。


私は、4時間もじっと聞いていました。


チキンは、すでに冷えきっていました。ふたりとも、何も口に出来なかったんです。


Jackyの顔には、泣き明かした証拠として、顔が涙でべったりでした。


まわりの客は、どんどん変わって行きました。中には、私達の話を聞いている人もいました。


私も、彼女の話を夢中で聞いていました。


神様の教えに反して生きることの辛さ、信者としての辛さ、痛いほど分かりました。


翌日、私は職場に戻って行きました。結論は、出ませんでした。


それから、3回目の話し合いに行くことになりました。


その時、同僚のSue(スー)が言いました。


みんなの読んで良かった!

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