せめて最後にお風呂に入れたい……亡くなった父を湯灌で見送った話【1話完結】

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発症後~回復までのストーリーはこちらになります。http://storys.jp/story/19106

(15回に分けているので必ずしも先に目を通す必要はありませんが、後からでも読んでいただけると嬉しいです。)


 9月のシルバーウイークにバーベキューを決行した日から、約70日後の12月2日。

 父は、この世を去った。

 本当に、あっという間だった。

 つい2ヶ月とちょっと前には、一緒にバーベキューまでやったというのに……。

 今でも、まだ病院に行けば、父がそこに居るような気がする。


見出し

1.再入院、そして転院

2.療養病棟へ

3.終末期事前指示書

4.廃用症候群?

5.集中治療室へ

6.葬儀屋に事前相談

7.お別れの日

8.湯灌、そして旅立ち

9.エピローグ ~伝えたいこと~


1.再入院、そして転院


 父は、2014年10月末に脳出血を起こし、生死の境をさまよった。

 意識のない状態から、奇跡的に自宅で過ごせるまでに回復した。

 右手、右足は麻痺して動かせないが、はい、いいえの簡単な意思疎通はできるようになった。


 家族みんなで集まって、公園でバーベキューをすることもできた。


 しかし9月末、父が、自宅で二度目のけいれんを起こした。

 突然、目を大きく見開いて、顔を歪ませて苦しみだした父。

 それは、たまたまその場にいた訪問看護師が「救急車を呼んでください」と母に指示するほどの苦しみようだったそうだ。

 まるで、バーベキューが終わるまで、踏ん張っていたかのようなタイミングだった……。

 救急車で前回と同じ急性期病院に運ばれた。


 バーベキューの日は、すぐに帰してもらえたが、今度は「脳梗塞の疑いがある」として、入院を余儀なくされた。

 その後、脳梗塞はなかったと診断されたものの、すぐに帰る事はできなかった。

 けいれん以降、父がまた痰を出すようになっていたからだ。

「痰が肺に入ると、誤嚥性肺炎を起こす危険性があります。このまま自宅には帰せません。」

 と、病院より説明を受けてしまう。

 更に、脳梗塞でなかった以上、治療できることはないので、すぐに別の病院に移って欲しい、そこで療養してほしい、ということだった。

 また、母も、「痰をうまくとる自信がない。また自宅でけいれんを起こされたらと思うと怖い。お父さんは元気な時から冬は痰が多かった。せめて痰が出ている間は病院に預かって欲しい。」

 と、自信なさげにうなだれた。

みんなの読んで良かった!