第百十二章 「今年は、四高国際科、桑高普通科、川越国際文理、合格」
第百十二章
「今年は、四高国際科、四高普通科、桑高普通科、川越国際文理、川越普通科、合格」
塾生の子が難関校に合格すると、塾では手柄を立てたごとく「合格実績」を広報しなくてはならない。塾生募集の最も強力な武器になるからだ。しかし、受験の主役は生徒であって、塾や予備校講師の貢献度は1割にも満たない実感がある。
要するに、賢い子が集まってくれたというだけだ。
当塾では原則として中学生から来てもらっているが、中学生なら10年後、20年後の姿がおよそ予測できる。遺伝子だけでなく、育ちもほとんど完成品なのだ。良い入れ物だから、いくらでも入る。
オリンピックの強化選手を日本中から集めてきて、特別に訓練するのと同じ原理だ。ダイヤの原石を見つけるのが圧倒的に大切で、あとは丁寧に磨くだけなのだ。難関校の受験生は、ダイヤの原石が多いので競争が激しい。
ノーベル賞の山中先生は神戸大学。青色発光ダイオードの中村先生は徳島大学。今年のノーベル賞の梶田先生は山梨大、大村先生は山梨大。大学入試の結果くらいでは、本当の才能は分からないが、それも一定レベル以上での話。
しかし、学問で食っていく職種など教授のほかには医者、弁護士、弁理士、司法書士、予備校や塾講師などほんの一部の人たちだけ。社会全体でみたら少数派なのだから、一般ピープルは気にする必要はない。
でもね、受験勉強を狭く考えている人が多いけれど入試から離れて「英語」「数学」をながめている人も多いんだよね。
私は英語を勉強していたから、アメリカの生活を経験できた。数学を勉強してきたから、ムチャクチャ賢い子の指導ができている。京大医学部、阪大医学部、名大医学部に合格できるような子って、数が少ないからなかなか知り合うチャンスはないでしょう。
私は、そういう才能のある子と日常的に話をしている。合格実績があがるので塾の評判は右肩上がりで経営は安定する。こんな恵まれた生活ができるのも、両親が私の躾に気を配り、大学に行く援助をしてくれたお陰で感謝している。
勉強をすると、いろいろな場所に行け、普通は会えない人に会え、収入も安定することが多い。いいことが、いろいろあるよ。
「中学生や高校生を教えるのに英検1級なんか要らないじゃん」
「京大受験生なんてほとんどいないのに、なんで成績開示する必要があるの?」
と言われたけれど、やってきて本当に良かった。
美味しいものが食べられて、楽しい人と会話ができて、精神衛生上よいので健康にもいい。生徒が合格すると喜んでもらえるし、保護者の方には感謝してもらえる。こんな良い仕事はめったにない。
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