割れる卵の側に立つ~村上春樹さん
村上春樹さんの本は好き。
読んでいないものもあるけれど、昔から読んでいる。
川端康成さんの文章みたいに、香る文章じゃない。
~でも香る文章って強く感じるのは、川端さんの作品の中でも、
『雪国』だけかなあ。
『雪国』の文章は、超ド級に好き。
日本語的な省略、
少ない語数、簡単な言葉でつむぎだす
夢幻の世界、という感じ。
村上さんの文章はそうじゃなくて
物語のストーリーをひきたてる文章。
そしてそのストーリーは独特。
「日本」ていう枠から離れて、「魂」語っているから、
全世界で人々をひきつけているんだろう。
45言語、50か国に翻訳されているという。
まさに、グローバル。
2009年にエルサレム賞を獲った時の、村上さんの受賞スピーチ。
「もし、ここに硬くて高い壁があり、
そこにぶつかって割れる卵があったら
私はいつも卵の側に立つ」
ノーベル文学賞をとりそこねた時、朝のニュースで斉藤孝さんが言っていたけれど、
「硬くて高い壁」っていうのは
システムのこと。
法律だったり、常識だったり、道徳だったりするもの。
社会の組織側がつくりだすもの。
「卵」っていうのは
「個人」。
「個人の魂」。
スピーチは続く。
「私が小説を書く理由は~
個々の魂の尊厳を引きだし、
光を当てるためです。
物語の目的は、
『システム』が私たちの魂を、その網の目にからめとり、
おとしめるのを防ぐために
『システム』に警鐘を鳴らし、目を光らせることです。
~それこそが、
私たちが日々
大まじめに作り話をでっちあげている理由
なのです」
「個々の魂の尊厳」が目的だから、
全世界の人々に共感を呼ぶっていうことなんだろう。
ファンタジーは作り話なんだけれど
簡単に書けるわけじゃない。
以前村上さんが
登場人物が「壁をつきぬける」ことを書く時には
ほんとに「壁をつきぬける」エネルギーを使う
と書いていた。
そうだろうな、実感する。
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