俺の親友だった「ようすけ」と怪しい探偵のバイトとようすけと俺の夢。

 はるか昔。大学時代にようすけと言う友人と知り合った。ようすけとは大学の語学の再履修の授業で知り合った。


後ろから見たら、女かな?と見間違える位の、ロン毛。スパイラルパーマ。そのようすけに何故か声をかけてみたくなったのだ。


俺は大学一年の時に学校も行かずに、図書館で本を読むか、ヨットに乗る日々を送っていた。ヨット部に、半ば強制的に勧誘され入学式と言うものに顔を出さなかった俺は、勿論大学の授業で使う教科書を持って居なかった。と言うよりは買う機会を失ってしまっていた。


先輩たち曰く、「大丈夫。俺たちの過去問がある。過去問さえやれば満点取れる大学だから」


そんな話を聞いていたので純粋無垢だった俺は、本当かどうかなども疑わずに、信じ込んでしまい、取り合えず、マジかよ?そんなもん?大学って!って思っていた。


まあ、受験のときも思ったのだが、過去問五年分やってれば、大体受かるんじゃないかなと言う程度の大学に、ランクを落としていった俺。理由は一つ。ストーカーやってやると言う事(笑)。


昔はそう思っていなかったが、今考えたら、完全にストーカーだった。俺は(笑)


笑い話に出来るのは、その後俺にも彼女が出来たり、結婚したり子供を授かったり、離婚したりと、色々と忙しい出来事があったからなんだが、今ではマジで笑い話。


同じ最寄り駅の大学に入ったんだから彼女は怖かったかもしれないな。相当。


今じゃあストーカーが殺人レベルまで行く時代だから、怖いんだが、当事はそんな概念も無く、ストーカー被害なんていうのも聞かなかった時代。


んで、何で、再履修なの????と言うことに皆さんもお気づきだと思う。


過去問さえやれば満点なんだよ。


俺は船酔いが凄かった。だから二ヶ月位で辞めてしまったんだ、ヨット部を。そうしたら今まで優しかった先輩たちも勿論だが、友人知人も誰も居ない、始まってから二ヵ月後の大学に転入したような感じだった(涙)。


もう、何が何やら分からなかったけどね。その時辺りから人生はおかしくなってるんだけど。高校時代もおかしかったから、まあ二回目のハブ状態(笑)。


その再履修って言うのは、一年の時に単位を落とした人達が受ける授業。


俺は二年に人生をかけた。(笑)だって賭けに出なきゃ退学もんだよマジで。まあその二年後に中退したから、あんまり変わったって訳じゃなかったんだけど、ゆうさく君って言う先輩と、ようすけだけは仲が良かった。


その再履修で一際目立ってたんだ。。洋介の頭が。くるっくるでロン毛で金髪。


俺は同じ匂いを感じた。(笑)


こいつもくそつまんねえ授業だなって思ってるアウトローだって一発で見抜いた俺は、ようすけに近づき、言った。


ねえねえ、お前なんでこの授業になった?
ようすけ
ああ、カンニングした事がばれて、全教科単位没収の刑だよ(笑)
カンニング?マジか?お前度胸あんな。
ようすけ
だって授業マジでつまんねえんだもん。お前は?
あ、俺ヨット部辞めて、先輩に過去問もらえんくなって、仕方なく再履修。
ようすけ
あ、俺ようすけつうんだ。お前は?
あ、俺ねこねこ。
ようすけ
お前、図書館で本読んでる奴だろ?
おう。よく知ってるな。
ようすけ
学校ちっちゃいからな。目立つんだよ、お前みたいな不良は。お前も金髪だしな。
ああ、これか。まあ俺のポリシーだな。金髪は。中一からずっと金髪。
ようすけ
俺は大学デビュー(笑)遅咲きの花。でもカンニングはずっと昔から。漢字もよく知らんし、作文の字は乱れてるから、先生は判読できんつって放り投げる始末。(笑)
お前、よく大学受験受かったな?
ようすけ
あ、俺頭は良いから現役で受かったもん。
ほほお。現役か。俺一浪。ってことはお前は俺の一つ下か。まあいいや。ところでお前この後、授業あんの?
ようすけ
いや、無いよ。この授業で帰るつもり。
んじゃあ、ちょっと珈琲飲みに行こう!
ようすけ
良いよ。(笑)

そうして駅前にある古ぼけた雑居ビルの二階にある、喫茶店に着いたようすけと俺。さて何から話すかなって思ってたら、本の話題になり、本の楽しさや、マクロ経済学の下らなさと、起業したいんだよねみたいな話でいきなりのレッドゾーン(笑)


ようすけ。凄い喋るんだなお前?
ようすけ
あ、俺天然。何にも考えないで、いきなり話し出すタイプ。気にせんで~。
いやあ、本の共通点と良い何から何まで、お前は俺と兄弟みたいに思うよ。あ、変な意味じゃなくって。(笑)
ようすけ
あ、それ俺も思った。お前、大学に来るタイプじゃないもんな。大体、中卒にいそうな感じ。
ひでえ。これでも頭は結構いいんだぜ?
ようすけ
んじゃあ、一つゲームをしよう。お前紙ある?
在るよ。ノートだけだけど。後図書館で借りた、このマーケティングの本。
ようすけ
そこに難しそうで、在りそうで無さそうな漢字の羅列の論文の名前を書いてみて。俺も今から書くから。そんで、どっちが多く面白そうな名前書けたか勝負!!!
なんじゃ、そりゃ?まあ、良いけど。
ようすけ
んじゃあ、きっかり一時間の勝負な!
オッケー!
ようすけ
今からスタート。

んで始まった、ようすけと俺の在りそうで無さそうな、よく分からない、論文っぽい名前考えゲームが始まった。


確か思い出す限りで、百個位書いたような気がする。ようすけも同じ位。勝負付かず(笑)


その、ミクロマジックカンニング理論って何?
ようすけ
ああ、俺がやったカンニング。つまりミクロ的な範囲の小さなイミテーションゴールドだよ(笑)
意味わかんねえ(笑)んでお前のカンニングってどうやったの?何教科やったの?
ようすけ
言ってなかったっけ。全教科だよやったのは。授業も聞いてないし、学校つまんねえから、可愛い姉ちゃん捕まえて、過去問借りてそのコピーした用紙を、始めの合図と共に机に出して、全部カンペした。
マジか?全教科?
ようすけ
うん。最後の授業のテストで捕まった。
お前普通なら退学もんだよ。よく生き残れたな?
ようすけ
かわいこぶって、ひたすら謝ったら許してくれた。
ははは。うちの大学っぽいな。
ようすけ
だろう?なあねこねこ?夢ってある?
さああなあ。夢ねえ。今は復讐したい女が要るってくらいかな?
ようすけ
誰に?
隣の音大の奴。
ようすけ
ああ、音大かあ。あそこは野郎が入ってくと目立つからなあ。特に俺ら金髪だし。
そうなんだよ。一回入ろうと思ったら、思い切り守衛に止められた。
ようすけ
俺もナンパしに入った事あって、教室まで入ったんだけど通報された。
お前中まで入ったの?
ようすけ
ああ、俺危険大好きだから。刺激がなくっちゃ人生じゃない。これが俺の人生訓。
だから、カンニングかよ?
ようすけ
ああ、大胆に優雅にやる。これが人生だろう?
俺は良くわかんねえけど、大胆な人生は最近やってないな。面白いの?危険な事って。
ようすけ
危険が増すほど面白い。犯罪が犯罪として見つかっても、死刑にならなきゃ、それで良い。
お前、発想が大胆すぎ(笑)。
ようすけ
お前の復讐も大胆だろう?
まあ、そうか。(笑)
ようすけ
そんな復讐なんて下らん事辞めて、ナンパしにいかない?
ナンパ?
ようすけ
そう。ナンパ。俺ナンパ師だから。女を抱いて何ぼだろう?人生は抱いた女の数で決まる。
俺、まだ童貞。(笑)
ようすけ
嘘だろう?分かった。今から新宿行ってナンパに行くぞ?ねこねこ!
ナンパしたことねえもん。
ようすけ
大丈夫。俺がついてる。俺がナンパの仕方教えるから、お前も今日のうちに童貞卒業しろ!
う~~~~ん。
ようすけ
悩むな悩むな。世間は半分が女だ。今はバブルなんだから抱き放題だぜ?
う~~~~ん。
ようすけ
ねこねこ?お前俺の一個
上だろ?情けない。早く卒業しろ!
んじゃあ。取り合えず見学してる。
ようすけ
まあいいや。んじゃあ隣に居て何も喋らんで良いから、横で頷いとけ。二人の方がナンパの成功率は飛躍的に上がる。
まあ、んなら良いよ。
ようすけ
男だろ?早く行こうぜ!女は俺たちを待ってる。

こうして、ようすけは俺を連れて新宿へと向かった。ようすけは良い女にしか声をかけない。ぶすは一切無視。徹底して良い女を狙う。(笑)


こうして一夜の内に無事に(?)良い女を捕まえたんだが、何をしていいか良く分からないままに、俺は一人前の男になった(笑)


まあそんな話はどうでも良いんだが、このようすけという男。突拍子もないことを急に言い出したかと思えば、直ぐに行動しないといられないという変な男だった。


法律は完全に無視。ただ非暴力。そこだけが俺と違った場所だった。俺は硬派だったし武力で制圧する事を好んだが、彼はラブアンドピースの人間だった。


こいつはもう一つ面白い男であって、とにかく変わったバイトを好んでやった。選挙事務所の手伝いが大好きで、別に選挙なんてどうでもいいが金になるぜ????と言い好き放題、色んな選挙事務所の手伝いに行っていた。あと、やばい仕事。


これが俺とようすけのやった危険だったバイト。探偵事務所のお手伝い。と言うか探偵やってくれない?って声かけられて行ってみたら一日、日当五万って言われて、ひょいひょいと何の疑いもせずに付いて行ったら、 この女の身辺調査をやってくれって頼まれた。車も出す。かかった必要経費は全部出す。おまけに日当五万。金がない貧乏学生だった俺とようすけは面白そうだと言う事で手を出してみた。


スリル満点。ジェットコースターとか、喧嘩とかが馬鹿馬鹿しくなる位に面白いバイトだった。


まず女のマンション近くに車停めて、超望遠レンズの付いた高性能ビデオカメラで女の住んでるマンションの部屋を監視。真向かいのビルから永遠と動きのない部屋を監視するのは辛かったが、これも五万のため。(笑)


そうして夕が来て夜になった。


女帰ってこねえなあ。暇だな。
ようすけ
来た~~~~~~~~~!!帰ってきたぜ?ねこねこ?
マジ。ええと六時二十五分女帰宅と。
ようすけ
ちゃんと記録しておいてな!!!
任せなさい!!
ようすけ
あ、カーテン閉めるぞ。男は一緒じゃないな。一人みたいだ。あ、カーテン閉まった。
眠るまで、待つか?
ようすけ
まあ、電気消えるまでは居ないとな。
まあ、今が五月で良かったよ。
ようすけ
ははは。神に感謝だな!
お前に神も何もないだろうが!この無法者が!(笑)
ようすけ
ははは。良いじゃないか!んじゃあ電気消えるまで取り合えず監視な!
ラジャア!隊長!
ようすけ
この望遠鏡つきビデオカメラすっげえな。感度抜群。女が着替えてるよ。ねこねこも見る?他の部屋の女だけど。(笑)
ばっか!きちんと撮影しとけ!男が居るかも知れないだろうが?陰になって二人が写れば今日は収穫ありだぜ?
ようすけ
そうだな。まあんじゃあ監視続行!

その日は一時位まで粘ったが、ただ電気が消えて終わりになった。俺たちは交代で車で仮眠を取りながら次はエントランスで張り込みをした。その日は取り合えず収穫なし。


翌日から俺たちはエントランスの見えるぎりぎりの位置で、紙袋に穴を開けてそこからエントランスが見える様にしながらずっと女の帰りを待っていた。二日目も何も起きなかった。


三日目。女が男と手を繋ぎながら帰ってきた。それをエントランスで一緒に入る所を撮影に成功し、取り合えず三日目にして収穫ありであった。


そのマンションは女の一人暮らしのマンションだと思われたが、依頼者との関係には触れなかった。友人に頼まれたとの説明であった。俺たちは記録をワープロで書き上げ報告書として出した。撮影の記録も。完璧な仕事であった。


世の中変な仕事もあるもんだと思ったが、三日間であったが、ようすけと仲良くなり更に友情は深まった。


ようすけはある日こんな話をし出した。エンパイアステートビルを買い占めたい。と途方もない夢を語りだした。


ようすけ
ねこねこ?エンパイアステートビルってあんじゃん?
ああ、アメリカの?
ようすけ
そうそう。あそこ何とか俺たちのもんになんねえかな?
さあなあ。ならねんじゃない?(笑)俺たち学生だよ?
ようすけ
今から会社やろう!!!
は?
ようすけ
だから、会社!
何の?
ようすけ
そこは、お前の方が頭良いから考えろ?
ふう。ようすけ?あのねえ?何か勘違いしてるよ?俺の頭は良いが、東大生に負けた男だよ?あそこはハーバードの巣窟だろう?
ようすけ
大丈夫、いける!アイディアだよ、起業は!
う~~ん。んじゃあ一晩考える。明日まで考えてくるよ。金なし、コネなし、モノなしで始められる事だな。
ようすけ
そう!さすが頭いいじゃん!
出せてこの間の十五万位か。お前は?もう使った?
ようすけ
ラブホ代に消えた。わりぃ(笑)
んじゃあ、俺の十五万だな。
ようすけ
やろうぜ!青春は全て会社につぎ込もう!!


俺は一晩考えてパーティーをする会社を考えた。つまりセッティングしてやる会社だ。男五十人。女五十人集めてクラブ借り切って、パーティーする。箱代は俺の十五万を使うため、箱の空いてる昼の時間にやることにした。


これを女は青学や日本女子大なんかに売りに行って裁いて、男は早稲田慶応に売りに行った。


結果。結構稼げた。遊ぶ金程度にはなった。


と言うことで俺たちは本腰入れてエンパイア乗っ取り作戦を開始することになったんだが、何分にも漏れず、落とし穴はあるもの。俺がうつ病になってしまった。(笑)


原因不明。全く持って不明。だから病気なんだけどね。


その頃もうようすけは三年になり、俺は後期の試験に出れずに留年。留年を二回繰り返し退学。その後俺は親元の九州へ。ようすけは無事に卒業。


その後、何回か、ようすけから絵葉書が届いた。


今東南アジアの面白い村に滞在中。違法麻薬をやり放題。日本じゃ捕まるけれど、俺もう日本帰れなくなった。捕まるから。みたいな事を言っていたかどうか分からないが、怪しいミミズの這った様な字でねこねこ?夢はエンパイアだぞ?決して忘れるなよ!!!!!!!と書いてあった。


あれから数十年が過ぎ俺は一度結婚し子供が生まれ離婚し、精神病を発病し、今は施設で働かせてもらっている。


夢はエンパイア。不思議とようすけという男と居ると無敵になれた。


一生懸命その後も消息を辿ったが、日本に何回か帰国して選挙事務所に居て何回か手伝って荒稼ぎをして中東に行ったと聞いた。


生きてると良いが、彼にとっては、日本はつまらなかっただろう。俺も日本じゃ精神病扱いを受けてる。日本は生き難い。何時か再会できたとしたら、彼と共に夜通し騒いで朝まで飲み明かしたい。


俺の受けたショックや、近況報告なんかも含めて話したい。俺が心のそこから気を許したのは、恐らくようすけが最初で最後かもしれない。後は皆ゲイとかそんなんばっかだ。


だが今は万軍の主が付いてくれてる。それ以上に求めては贅沢すぎるだろうか?ふと、今日はようすけを思い出し、ようすけとの馬鹿な思い出を書いてみた。


俺はリーダーになった事はあっても、誰かに引っ張ってもらいたいと本当は思っていたのかな?


ようすけのような人間はあれで最初で最後。青春と言う名のようすけという幻だったのかもしれない。ふとそんな事を今日考えてしまった。


皆さんにも居るんじゃないだろうか?今は連絡が取れなくなった、青春時代の親友と言う幻のような親友が。

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