重度のうつ病からの生還、15年の記録

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辛さがピークに来て、その辛さを感じて生きるより


命を絶てば、もう辛さを感じることがない!


生きているから、辛いんだ!


それなら、命を断てばいい。


そのほうが、ずっと楽なんだ・・・


そんな気持ちが生まれて来ました。


そして、鴨居にタオルを巻き付けて、


イスの上に上り、首にタオルを巻き付けて・・・イスを蹴飛ばそうとしました。


その時です。


あのいじめの彼が、ドアをノックしたのは。


そして、「ハッ」と我に返ったのです。


「おれは、何をやっているんだろう・・・?」


鴨居から垂れ下がったタオルを見ました。


「生きることを断つ・・・本当にそれでいいのか?


もっと他にないのか?生きなくていいのか?」


それから、考えたんです。


「まだ、生きなきゃ行けないんだな・・・」


「だったら、どう生きればいいんだ・・・?」


そんな気持ちが湧いて来ました。


それから、虎ノ門病院を紹介してくれた友人に、電話しました。


彼は、ある女性社長を紹介してくれました。


その社長に会いに行きました。


その社長は、仕事が終わったあとで、じっと私の話を聞いてくれました。


それも、3時間です。


その間、何も口をはさみませんでした。


こんなに話を聞いてくれる人に会ったことがありませんでした。


「あなたに必要なことは、『感謝して生きること』です。これからは、人に感謝して生きて下さい。」


涙がこぼれました。


私は、寂しかったんです。


勉強しても、仕事をしても、ほめられる・・・


でもね、じっと私の本音を聞いてくれる人がいない・・・


仮面をかぶって生きること・・・


それに慣れっこになってしまった自分・・・


寂しかったんです。


「寂しい」っていう感情を素直に出せる相手がいなかったんです。


「おれのことをじっと見ていてくれる人」

「おれの本当の気持ちを分かってくれる人」

「どんなに厳しい環境にいても、本音を受け取ってくれる人」


そんな人を、どんなに欲しかったかを、感じました。


「寂しさ」を感じないように、見せないように生きて行く・・・


そんな生き方をずっとして来ました。


優等生として生きること・・・


劣等生になれない自分・・・


挑戦、挑戦、挑戦の自分


『うつ病って何だろう?』


ふと本屋で見た言葉・・・


「うつ病は、神様がくれた休日」


いままで、3年でやる仕事を1年で完成し、1年でやる仕事を3ヶ月でこなし、3ヶ月でやる仕事を1ヶ月でやり切った自分がいました。


それが、私には「当たり前」だったんです。


虎ノ門病院の医師が言ったセリフを、今でも忘れません。


「あなたの基準は、一般の人とは違うんです。これからは、7割の力で仕事をして下さい。」


「それなら、あとの3割はどうするんですか?」


「それは、余裕として残しておくのです。いざとなった時のために、取っておきなさい。」


「でも、そんなことしたら、仕事は完璧には終わりません。」


「いいんです、あなたの場合は。あなたの基準は、一般の人並み以上ですから、たとえ7割になっても、それでも一般の人以上ですから。


あなたに必要なのは、『遊び』です。」


「先生、遊びって、何ですか?」


「あれですよ、お好きでしょ?」


「ええ、オンナ遊びですか?」


「女性には、申し訳ないが、歌舞伎町へ行って、遊んでご覧なさい・・・あなたには、遊びが足りない。バカになることなんですよ。バカになっても、それは外見だけ。中身は、優秀なあなたのままですから、安心なさい。」


これが、あの虎ノ門病院で聞いた言葉なんです。


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