豪華なお味噌汁の話

両親が離婚して、父親の実家でじいちゃん・ばあちゃんと一緒に住むことになった小学3年生の僕。
晩御飯にお味噌汁が出てきた。たしかキャベツのお味噌汁だったと思う。
そのお味噌汁を見て、当時の僕が一言。
「うわぁ、お味噌汁だねぇ!豪華だねぇ!」
離婚前の家では、ほとんどお味噌汁が出なかった。もしかすると、多少料理が苦手な母親だったのかもしれない。そんな環境で育った僕だから、普通のキャベツのお味噌汁にすら、豪華さを感じてしまったのだと思う。
その一言を聞いた時のばあちゃんのぎこちない笑顔が、忘れられない。僕は何か間違ったことを言ったような気がしたけれど、お味噌汁を前にしてテンションが上がっていたので、ただニコニコ笑っていたように憶えている。
憶えていることは、それだけ。
キャベツしか入っていないけれど、豪華なお味噌汁のお話。
(ちなみに、母親は今どこに住んでいるのかも知らないし、実際に料理が苦手だったのかもわからない。けれど、少なくとも今の僕は母親のことを恨んでもいないし、母親という人がいたのだなぁ…と、ごく自然に納得している)

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