Two feelings 1章[光の声]
(なんかさっきから騒がしいんだけどー!)
顔を覆う手を離してみた。すると周りには、
男!男!男だらけだった。
「ひぃ!」
「なんだ?一応、想像はつく。」
「この街やだ。」
僕が「この街やだ」と言った瞬間。周りにいた男たちは静かになった。
「おい!ここは蒼の星だ。男しかいないのは知ってるだろうが!」
「知らないよ!!」
「とにかく謝れ!」
「うぅ〜」
僕は新屋田にお姫様だっこされたまま、周りにいる人たちに謝った。
「許してやるよー!」
周りにいる男たちは許してくれたみたいだ。よかった。
(あ〜。面倒くさい)
「ほら、ここがフェルア街のBOSSがおられる屋敷だ。」
屋敷はとても優雅な雰囲気が漂い、僕を歓迎しているかのよう。
「ねぇ。トントン拍子で変な事が起きてるんだけど。あともう降ろして!」
「ふん、わかった。わかった。」
新屋田は僕を地面に下ろすと屋敷のドアを叩く。
僕は逃げようとしたが、新屋田に止められた。
「フェルア様!おられますか?」
ガタガタガタ。
「どなた様で?」
「新屋田だ。フェルア様と話したい。ドアを開けてくれ」
するとお屋敷のドアが開き、執事らしき人が現れる。
「フェルア様は2階です」
「わかった。おい、行くぞ。」
僕は仕方なく新屋田について行った。
「ねぇ。僕になにをするの?」
「それは俺が決めることじゃない。」
トントン。
「新屋田です。フェルア様!」
「入れ。」
新屋田はドアをゆっくり開け、僕を中へ入れた。
バタン。
「で、新屋田。なんの話しだ?こっちはちょっと多忙でね。」
「はい!街の外でこんな物を見つけまして。」
「僕は物じゃないよ!!」
フェルア様は新屋田の後ろにいる僕に視線を向ける。
「ほう。可愛いな」
「死んで下さい。今すぐ」
「おい!てめぇフェルア様になんてことを!」
「止めろ。大人気ないぞ。」
フェルア様はふっと息を吐き、本題に戻す。
「新屋田が連れてきたのか?この女を」
「やはりそうですか?!」
「違うからぁ!!」
「まぁまぁ。怒るな少年よ」
「ですね。フェルアさん。先程はすいません。」
フェルア様は高笑いしつつ、机のペンと紙に手を伸ばす。
「とりあえず名前。」
「椎名 遥です!」
「え〜と。しいなはるか。よし」
「なにがですか?」
「こいつの処分は?」
「新屋田、少し黙れ。」
「は、はい!!」
新屋田は注意されたからか、ドアの外へと移動した。
「ごめんな。新屋田はあんなやつだが根はいいやつだ。勘弁してやってくれ。」
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