Two feelings 2章[蒼い希望]
「えーと。椎名 遥です。」
自己紹介を終えると、僕たちは進入者のいる草原に向かった。
***
生えている草群を踏み、草原を進む。
「ラキ、ミシカ。左右警戒。新人は私から離れるな。」
「「 了解! 」」
「は、離れません。」
すると前から3人の女が現れる。
「ギリナさん。あの人たちが持ってるのはなに?」
「フェアリーハート。男を女に変えてしまう銃らしい。喰らったことないけどな」
「よし、かかれ!」
ラキとミシカが素早く左右に散り、目標に向かっていく。
「おりゃあ!」
ラキはミシカより早く女のいる場所に着く。そして跳躍しながら腰に下げていたレイピアを引き抜き、攻撃を繰り出す。
「あぁ!」
1人の女が叫び声を上げながら倒れる。
「ラキ!どの刀質でやった?」
「α1の木質だ。」
そしてミシカはラキより遅れを取ってしまったが、レイピアを引き抜き様に1人の女に一閃する。
命中。地面へと倒れこんだ女。
「さて、あとは私がやる。」
「りょーかい隊長。」
そしてギリナは走りだす。
「ま、まって。私の負け。助けて」
残った女が命乞いをしている。しかし、ギリナは容赦がなかった。女の目の前まで迫ると、走るのを止めてレイピアをゆっくり引き抜いた。
「まずは厄介なこの銃を」
ギリナはレイピアをフェアリーハートを目掛けて振り下ろし、真っ二つに割る。
「あとお前。起きてると面倒だから気絶していろ。」
ギリナはレイピアの刀質を変化させる。
α1の木質。
「終わりだ」
「キャー!」
女は地面に倒れ込んだ。
「これで全部か?」
「いえ、隊長。あの茂みがなんか怪しいです。」
「そうか。じゃあ行ってみよう。ラキ。お前が先頭に行け。」
「おうよ」
ラキとミシカはレイピアを収める。ギリナはレイピアを持ったまま歩く。
「あの、遥さん。」
「えと、なんですか?」
僕に話しかけてきたミシカ。
「戦えそうですか?」
ミシカはギリナやラキとは違い、優しい言葉使いの青年だった。他の男とは違う雰囲気が僕の心を和ませる。
「えと、やっぱり戦わなければいけないのかな?」
「そうですね。このような戦いがもう20年も続いてますし。」
ミシカは昔話を始める。
「そうですね。この戦いが始まる20年前。まだ自分が生まれていなかった頃」
20年前。
まだ蒼の星と紅の星が平和だった時のある日。紅の星の女帝ミララが何者かに暗殺されました。紅の星に住む人は皆が悲しみ、嘆いた。しかし、そのミララの近くに蒼の星でしか取れない鉱物が発見された。それがこの戦いの引き金となった。当然、紅の星の人は男を恨み敵対心を宿した。
「それでその蒼の星でしか取れない鉱物。それは今、蒼き防衛団のレイピアに使われています。」
「これがそうなの?」
僕は自分の腰に下げてあるレイピアに触れる。冷たい。
「ギリナ隊長みてくれ。」
ラキが茂みをかき分ける。その近くで新屋田が女と戦闘をしていた。
「任務場所が近かったみたいだな」
「そうみたいですね。」
ミシカが相槌をうつ。
新屋田と女の戦闘。
「うぉぉ!!」
新屋田は力任せにレイピアを振るい下ろす。女は後ろに跳躍し、距離を取る。
ストーリーをお読みいただき、ありがとうございます。ご覧いただいているサイト「STORYS.JP」は、誰もが自分らしいストーリーを歩めるきっかけ作りを目指しています。もし今のあなたが人生でうまくいかないことがあれば、STORYS.JP編集部に相談してみませんか? 次のバナーから人生相談を無料でお申し込みいただけます。
あなたの親御さんの人生を雑誌にしませんか?
著者の高橋 ひろりんさんにメッセージを送る
メッセージを送る
著者の方だけが読めます