Two feelings 2章[蒼い希望]

3 / 4 ページ


「えーと。椎名 遥です。」

自己紹介を終えると、僕たちは進入者のいる草原に向かった。

***

生えている草群を踏み、草原を進む。

「ラキ、ミシカ。左右警戒。新人は私から離れるな。」

「「 了解! 」」

「は、離れません。」

すると前から3人の女が現れる。

「ギリナさん。あの人たちが持ってるのはなに?」

「フェアリーハート。男を女に変えてしまう銃らしい。喰らったことないけどな」

「よし、かかれ!」

ラキとミシカが素早く左右に散り、目標に向かっていく。

「おりゃあ!」

ラキはミシカより早く女のいる場所に着く。そして跳躍しながら腰に下げていたレイピアを引き抜き、攻撃を繰り出す。

「あぁ!」

1人の女が叫び声を上げながら倒れる。

「ラキ!どの刀質でやった?」

「α1の木質だ。」

そしてミシカはラキより遅れを取ってしまったが、レイピアを引き抜き様に1人の女に一閃する。

命中。地面へと倒れこんだ女。

「さて、あとは私がやる。」

「りょーかい隊長。」

そしてギリナは走りだす。

「ま、まって。私の負け。助けて」

残った女が命乞いをしている。しかし、ギリナは容赦がなかった。女の目の前まで迫ると、走るのを止めてレイピアをゆっくり引き抜いた。

「まずは厄介なこの銃を」

ギリナはレイピアをフェアリーハートを目掛けて振り下ろし、真っ二つに割る。

「あとお前。起きてると面倒だから気絶していろ。」

ギリナはレイピアの刀質を変化させる。

α1の木質。

「終わりだ」

「キャー!」

女は地面に倒れ込んだ。

「これで全部か?」

「いえ、隊長。あの茂みがなんか怪しいです。」

「そうか。じゃあ行ってみよう。ラキ。お前が先頭に行け。」

「おうよ」

ラキとミシカはレイピアを収める。ギリナはレイピアを持ったまま歩く。

「あの、遥さん。」

「えと、なんですか?」

僕に話しかけてきたミシカ。

「戦えそうですか?」

ミシカはギリナやラキとは違い、優しい言葉使いの青年だった。他の男とは違う雰囲気が僕の心を和ませる。

「えと、やっぱり戦わなければいけないのかな?」

「そうですね。このような戦いがもう20年も続いてますし。」

ミシカは昔話を始める。

「そうですね。この戦いが始まる20年前。まだ自分が生まれていなかった頃」

20年前。

まだ蒼の星と紅の星が平和だった時のある日。紅の星の女帝ミララが何者かに暗殺されました。紅の星に住む人は皆が悲しみ、嘆いた。しかし、そのミララの近くに蒼の星でしか取れない鉱物が発見された。それがこの戦いの引き金となった。当然、紅の星の人は男を恨み敵対心を宿した。

「それでその蒼の星でしか取れない鉱物。それは今、蒼き防衛団のレイピアに使われています。」

「これがそうなの?」

僕は自分の腰に下げてあるレイピアに触れる。冷たい。

「ギリナ隊長みてくれ。」

ラキが茂みをかき分ける。その近くで新屋田が女と戦闘をしていた。

「任務場所が近かったみたいだな」

「そうみたいですね。」

ミシカが相槌をうつ。

新屋田と女の戦闘。

「うぉぉ!!」

新屋田は力任せにレイピアを振るい下ろす。女は後ろに跳躍し、距離を取る。

ストーリーをお読みいただき、ありがとうございます。ご覧いただいているサイト「STORYS.JP」は、誰もが自分らしいストーリーを歩めるきっかけ作りを目指しています。もし今のあなたが人生でうまくいかないことがあれば、STORYS.JP編集部に相談してみませんか? 次のバナーから人生相談を無料でお申し込みいただけます。

著者の高橋 ひろりんさんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。