高校の同級生がいのちを絶ってしまった話。
彼女が確かに存在していたことを誰かに知って欲しくて、今ここに彼女の最期を記します。
ファーストコンタクト
彼女と出逢ったのは高校2年生の時、私と仲の良い友人と席が近かったことが切っ掛けでした。
席の近い数人で仲良くなり、一緒にお弁当を食べたり遊びに行く間柄になりました。
その時彼女はテニス部だったのですが、その後テニス部を退部し私たちのいる合唱部に転部します。
それからは前以上に一緒に過ごすようになり、沢山のことを経験してきました。
文化祭での発表、夏祭り、カラオケ、修学旅行…。
それら全て、今でも大切な思い出です。
彼女(仮名:あい)は、サバサバしたように見えて繊細な女の子でした。
友人を前にすれば話しを明るくし、人を貶めることを決して口にしていませんでした。
悩みがあってもそれを口に出すことを憚り、一人で解決しようとするように見えていました。
私は彼女のその一歩踏み込むことを許さない「壁」に甘え、何も気付くことが出来なかったのです。
突然の死
2011年3月1日、彼女と私たちは慣れ親しんだ高校を卒業しました。
彼女は介護施設へ就職が決まっており、それぞれの道がほぼ決まった中で笑顔で別れていきました。
あの時は、彼女がいなくなってしまうなんて思いもしなかったのです。
2011年3月29日の19:10、高校の同級生から突然電話が掛かってきました。
「あのねあおいさん、落ち着いて聞いてね。…あいちゃんがね、亡くなったの。」
その言葉が信じられませんでした。
約1ヶ月前に会った時には悩んでる素振りも見せず、笑顔で校門の前で別れたのに。
そんな彼女がもう居ないと言う事が信じられず、ただただ葬儀の詳細を聞くことしか出来ませんでした。
友人の電話が切れた後、別の友人から電話が掛かってきて一言。
「お前、早まるなよ。」
そんなに危ういか?と思いながら、その友人に部活の後輩も呼んでいいか問い掛けようと、あいの師を教えてくれた友人に電話を掛けました。
その友人にも私は危ういのか?と嗤って聞くとまた危ういと返されました。
後輩の件は式場の席数を確認するからと一旦保留になり、その後大丈夫であると言ってくれました。
あいは、3月26日の17時頃近畿地方の所謂自殺の名所と呼ばれる崖から身を投げて亡くなりました。
その日は午前中から崖の方に座り、海を眺めていたと三段壁のパトロールの方が目撃されています。
そして17時頃、パトロールの方があいに声を掛けようと歩き始めたところ、海へ身を投げたそうです。
翌日の3月27日午前5時頃、あいの遺体は見つかりました。
彼女の鞄にはお財布とゲーム機が入っており、あいは鞄を持ったまま身を投げたものの、鞄だけは木に引っかかっていたそうです。
著者のひの あおいさんに人生相談を申込む
著者のひの あおいさんにメッセージを送る
著者の方だけが読めます