職業としての地方公務員(5)仕事は散財

前話: 職業としての地方公務員(4)お高いジェネラリスト

 公務員の仕事の一般的なものは、モノやサービスを買い続けて、ひたすらカネを使い続けることである。その原資は当然税金、身銭を切るわけではない。

 消耗品の購入等は言うまでもないが、印刷物の購入、印刷製本、備品の購入等、サービスは業務委託を入れると数え切れないほどの業務が存在する。官公庁の事業といっても、自ら汗を流して行うのは僅かである。あとは業務委託で業者に投げ、委託料を支払うものがほとんどである。また、委託とまではいかなくても、補助金として民間等に散在するものもある。

 公共工事も実際に工事をするのは建設業者である。その前の設計や測量等もそれぞれの会社が工事請負や委託を受けて実施するのである。官公庁が直接工事するという話は聞いたことがない。

 つまり何をするにもカネが要る。発注して、物を買って、サービスを受けて、その履行を確認して、支払いの手続き・・・・・・このサイクルの繰り返しである。民間企業の間接部門に近いかもしれないが、企業なら生産や営業など、直接稼ぐ部門が存在する。官公庁にはそれがない。原資は税金でいうなら他人のお金を他に流しているだけにすぎないのである。(一応、官公庁の収入を担うところで税務はあるかもしれないが、あれも、民間の財産に一方的に課税し、一方的に徴収することなので、何かを売ってその対価としてお金をもらうのとはかなり違う。)

 他人のお金なので、身銭を切るほどの切迫感がどうしても欠けてくる。そして、公共投資が多ければ多いほど経済に貢献するという考えから、できるだけ多くのお金を使ったほうが良いという誤った考えを持ちがちだ。

 普段なら消費行動の一つである購入という行為。ここでは、これを他人のお金で行い、さらに使うものには給料としてさらに税金から支払われるという現実。だから税金の無駄遣いはなかなか根絶しないし、官公庁には無駄な部分がいろいろ多いと思うのである。


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