雲が晴れた時の話

世界遺産 キナバル自然公園_ マレーシア

マレーシア旅日記より(2008年)




見えなかったものが、急に現れるとものすごく印象に残る。


あ、意外とそういう一面があったんだ。というような

そういう経験がいっぱいの人生にしたいな、と思いながら日々過ごしている。

マレーシアを訪れたのはほとんど海外に興味がなかった20代の頃だった。


ここ最近の世界の縮まるスピードは目をみはるものがある。インターネットの進化がどんどん世界を近所にしていく。ちょっと前のこの頃はまだまだ世界は遠い感じがした。スカイスキャナーはあったみたいだけど、知らなかった。Facebookはカナダに留学して初めて使い始めたから、2009年からだったかな。

マレーシアという国がどこかもあまり分からなかった。なんとなく南の方なのかな?という感じで。世界遺産というものもそこまで意識していなかった。世界遺産ってなんかいい感じだよね。というくらいで。


友達の誘いで、なんとなくチョイスして訪れたのが、マレーシアのボルネオ島のコタキナバルという街街。リゾートホテルに泊まってボーっとするのにも飽きたので、何かツアーに参加してみようということになった。そしてたまたまその近辺にあった世界遺産へのツアー。それが「キナバル自然公園」だった。


公園までの車の移動中。空は曇っていて特に景色は良くなかった。少しずつ高度が上がっていくようだ。

ぼーっと外を眺めていたら、突然、一瞬、雲が晴れた。その瞬間に見えたのはキナバル山の山頂付近の絶景だった。



その絶景に息を飲んだのを覚えている。この経験が僕を世界遺産好きにしたようなものだった。世界遺産好きというよりは、自然が作り出す地球を感じるような絶景を見た時に感じる胸のドキドキ感がたまらなく好きになったんだと思う。まあ、誰でも好きな感覚だとは思うけれど。

自然公園の中では、ラフレシアとか大きなカエルとかを見た。ラフレシアは小さな頃に万博で見たのを覚えていた。大人になってから見るといろんなことを想像して恐怖を感じる形状だと思った。




世界は、巡れば巡るほど、やっぱり人間だから、目が慣れてきて、感動というのは薄れていくものだと思う。でも地球がオリジナルで作り出した自然の景観はいつ見てもたくさん、ものすごく心を動かしてくれる。特に大きな山は大好物だ。山を眺めているだけで、なぜだかドキドキしてしまう。富士山が見えるところに住みたいとも思う。毎日だったら飽きるのかもしれないけど。


見えなかったものが、突然視界に入った瞬間は、

少しだけ心が成長する。


Kinabalu Park_ Malaysia 2008


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