【おっぱいセクハラ記】欲情の視線に耐える女の日々は、胸が膨らむ時期から始まる⑶

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「甘えるな。人に迷惑をかけるな」

母にそればかり言われて育った私は、ちゃんと甘えられない子供に育っていた。

「働かざる者、食うべからず」

毎日そう言われて、学校から家に帰るとご飯を炊き、洗濯を取り込んで片付けて、アイロンをかけ、お風呂掃除をし、冷蔵庫にあるおかずに一品か二品ほど作り足して、妹と弟と三人でご飯を食べた。

付き合い事で毎日夜遅くに帰ってくる両親の代わりに、妹に宿題をさせ、明日の学校の準備をさせ、弟の面倒を見て、10歳の頃から本当に忙しかった。家事が大変で肩コリが激しく、月一で鍼灸院に通っていた。

転校生だったので、友達を作るのに、友達の家に遊びに行きたいと言っても許してもらえなかった。

「友達なんて作らなくていい。家のことをしなさい。働かざる者、食うべからず。あんたは家でしなきゃいけないことがあるやろ」

何度お願いしても同じことで、友達に誘われるたびに、心の中で泣きながら断った。そしてそのうち、誰も遊びに誘ってくれる子はいなくなった。

私は使用人扱いしかされていなかった。

学校で必要なものがあって、買わなきゃいけないものがあっても、恐ろしい顔で睨まれるのでお願いするのが辛かった。

両親は、祖父が起業した会社で、副社長と常務をしていた。

祖父母の家にはお手伝いさんがいて、たまにうちでもご飯を作ってくれていた。

両親が祖父の会社に入るために引っ越してきて、急に裕福な環境になったけど、それまで貧乏な暮らしをして育っていたので、贅沢を言ったことはなかった。

私は、何をしてもしなくても、母の気分で八つ当たりされていて、どこにも逃げ場がなかった。

虐げられ続けて、誰にも頼れなくて、そんな中で胸が膨らみ、そろそろブラが必要な頃になっても、ブラを買って欲しいと言えなかった。

だから、母から買ってもらえるのを、ジッと耐えて待っていた。

毎日毎日、ノーブラで過ごすのが恥ずかしくて、死んでしまいたかった。

結局、私の変化になんて気がつかない母は、親戚の誰かにブラを買ってあげるように言われてから、やっとデパートに連れて行ってくれた。

もしかしたら、母に言ってもらえるように期待して、叔母か誰かに「ブラが欲しい」と言ったかもしれない。

ブラを買うためだけに行ったデパートで、ものすごく不機嫌だった母に、「高い買い物をさせてごめんなさい」小さな声でそう言った。

大きくなってごめんなさい。

生きててごめんなさい。

生まれてきてごめんなさい。

五年生になっていた私はすでに、生きていることだけで罪悪感を感じる人間になっていた。

その頃には、流石に胸が膨らみ続けることにも慣れて、ブラを着けられるようになったことで気持ちに余裕が出てきた。

だけど、走れば胸は揺れる。体育の時間には、走ると胸が揺れる女子を、数人の男子と女子が影で噂していて、そんな空気が嫌で堪らず、体育の時間が苦痛になった。

変化していたのは、自分だけでも、皆の体だけでもなかった。

保健体育で性教育が始まって、先生達の扱いも変わったように感じたし、気持ちの上でも、皆が少しずつ大人に近づいていることを、肌で敏感に感じながら日々を過ごした。


家では相変わらず、辛いことが続いていた。

それまで、父がずっと、私と妹と弟の三人をお風呂に入れてくれていた。

両親が夜十時過ぎに帰ってきて、皆でまとめて一度にお風呂に入っていた。

節約のために皆で入った方がいいとは分かっていたけれど、胸が目立ってき始めた五年生に上がる頃に、母にお風呂を別にして欲しいとお願いした。

だけど、我が儘を言うな、ふざけるなと怒られた。

誰もお父さんとお風呂に入ってる子なんてもういないと言っても、聞いてもらえなかった。

色んなことは、本当によく我慢して耐えた。

だけどやっぱり、毎日のお風呂が苦痛で堪らなくて、何度も何度もお風呂を別にして欲しいということだけはお願いした。

結局、中学生になったら別でいいと言われて、六年生になっても無理矢理に父や妹、弟とお風呂に入らされた。

父は居た堪れなかったようだったけれど、亭主関白のくせに、母の言うことをほとんど鵜呑みにして通す父は、母が言う通りに毎日一緒にお風呂に入り続けたし、どんどん膨らみ続ける胸を、妹も弟も楽しそうに見ては、話題にしていた。

今思い返しても、あの頃は本当に毎日が苦痛だった。

結局、六年生の一月に初潮を迎えるまで、一人でお風呂に入ることはできなかった。



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