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16/2/24

生きづらさを感じて苦しんでいる人に伝えたい、「僕」の話③

Image by Olia Gozha


「生きづらさを感じて苦しんでいる人に伝えたい、「僕」の話②」で書いたように、僕は高校1年生の秋から、心を閉ざして生きていくようになった。

しかし、高校3年生の春、僕に人生の転機が訪れた。


■はじめての大恋愛

高校3年生になったばかりの春、僕は新入生の高校1年生とお互い一目惚れの恋愛をした。

彼女とは、はじめて電話をした時に初めて話したにもかかわらず、7時間も電話をし続けてしまうくらい意気投合し、笑いのツボも、価値観もとても近くて、お互いの趣味が一緒なのも嬉しかった。彼女が何かを話して、自分が同意をすると、こどものような顔をして喜んで甘えてくれて、それがとても幸せだった。生きることに自信をなくしていた僕に対して、「こんなにかっこいい人いないよ!」とか人生で言われたことがないような言葉をたくさんかけてくれた。

本当に優しくて、僕のことを思ってくれて、すごく可愛くて、名前はある花の名前だった。

彼女と出会ってから、彼女の笑顔が、僕のモノクロームだった心を色鮮やかに染めていった。

白黒だった世界がカラフルな世界に見えていったのである。

朝は体育館の人目がつかない場所で毎朝待ち合わせをし、休み時間の度に廊下でおしゃべりをし、下校の時間になると一緒に帰る、家に帰ってからは電話で話す。

文字通り一日中一緒にいた。


■なにかがおかしい

そんなある日のことだった。

夜、電話がかかってきて、何も語らず泣いていた。

何があったのかを聞いても、教えてくれなかった。

僕は彼女の友達に何か知らないかを聞いた。

「Sが泣いていたんだけど、何があったか知ってたりしませんか?」

「え、先輩知らないんですか?Sは家庭にいろいろ事情を抱えているんですよ。私からは詳しく言えませんが。。。」

いろいろ考察したが、見当がつかなかったので、翌朝学校で会いに行った。

すると、彼女の顔はあざだらけで、泣いた後で目はパンパン。まるで別人のようになっていたのだ。

この時、僕は思った。

心の中「もしかして、虐待?」

しばらく何も言えなかった。

そして、その日の夜、電話がかかってきて、虐待を受けていることを打ち明けてくれたのである。


■虐待を受けていた彼女

彼女から「おじいちゃんにDVされている」「お父さん(❇︎この時点では既に離婚し別居状態)にもDVを受けていた」との告白を受けた。「過去にいじめられていた」とか他にもそういう話はどんどん出てきた。僕の過去の経験とシンクロして感じたことに加え、彼女のことが好きで好きだった自分は「なんて不幸な生い立ちなんだろう。じゃあ、自分が本当の幸せを与えてあげよう」としか考えられなくなっていった。そして、次に会った時、彼女はとても幸せな顔をしてから、「あなたが今までの人の中で一番です」と言ってくれた。


そして、「他の女性と会話されるのは嫌だ」「他の女性と会われるのがいやだ」「他の女性の連絡先があるのが嫌だ」と言われたのでやめるようにした。


虐待を受けていたことが関係していたからなのか、

彼女は些細なことで不機嫌になって、数時間で上機嫌に戻る、なかったかのようにはしゃぎまくる。

例えば、1例としてデートに行っていた時にこんなことがあった。

「あっ、財布忘れた。」

「大丈夫?」

「なんで今日の朝にメールで財布忘れないように言ってくれなかったの。」

「えっ、ごめん。。。」

「メールで財布持ってくること言ってくれれば忘れずに済んだじゃんよ」

「。。。」

それだけではなく、愛情確認行為なども行われるようになっていった。

「別れたい」

「え、なんでいきなり」

「好きじゃなくなった」

「そうか、じゃあ別れようか。。。」

数時間後

「なんでさっき止めてくれなかったの?好きに決まってんじゃん」

「さっきのは嘘だったの?」

「確かめたかっただけなの。ごめんね。でも、察して欲しい。」


ある意味、ジェットコースターみたいな毎日で、刺激的な毎日だった。


このような毎日を過ごすうちに、受験勉強そっちのけでどんどん彼女にのめり込んでいった。


しかし、一方で束縛や情緒不安定が原因でケンカも絶えなかった。

ケンカをした時は彼女からリストカットの写真が送られてきたこともあった。

これから自殺をすると言われたこともあった。

薬を大量に飲んで死のうとしたこともあった。

目の前でリストカットをしたこともあった。


■境界性人格障害

いままで述べてきたように、彼女は家庭がDVが横行している機能不全家庭であり、それが原因で彼女は情緒不安定になっていた。

そして、過ごす時間が長くなるにつれて、彼女の情緒不安定はひどくなっていった。

「死ね」「殺す」といった暴言を言うようになったり。

しかし、僕は本気で彼女の支えになりたいと思っていたのでそれらを全て受け入れ、インターネットや本を使い彼女を支えるためにどうすればいいのかを調べまくった。

その時、「境界性人格障害」というものを知った。

まさに彼女に当てはまっていた。

彼女にもこれを見せたところ、当てはまっているということを思ったらしく、「頑張って克服する」と言っていた。

しかしながら、受験勉強のストレスとも重なり、僕の心身は疲弊していった。


次回は

■占い

■数少ない友人の裏切り

■引きこもり

■たちなおりのきっかけ

■さらなる挫折と挑戦

について書きます


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