1週間で8kg痩せたぞ!

田舎の高校を卒業して、大阪で初めての一人暮らし。

家族と暮らす家がこよなく好きな私は、もともと独り暮らしする気など全くなかった。

なのに母親に泣き脅された。

「あなたが田舎を出てってくれないと、私も田舎を出られないのよ!」

これは昭和一桁の頑固な父親(つまり母親の夫)が、妻たる者、喫茶店でコーヒーを飲むとか、飲み会に行くとか、ましてや宿泊兼ねた旅行などとんでもない!という人だったからだ。


そんないきさつから私の大阪での一人暮らしが始まったわけだが。。。


小汚い下宿みたいな一間の部屋(父親の友達が探したのでお断りできず)で、トイレ協同、当然風呂なし、、、さすがに自分が田舎を出ていってくれとは言ったものの、あまりの現実に母親も泣き出してしまい「電話はすぐに付けるからね(当時は携帯なんてなかった)!お父さんの顔立てて1年だけ我慢してくれたら好きなところに引っ越してもいいからね」と言う始末。


でも、私自身は部屋の事などどうでもよかった。


一番辛かったのは、隣の公園からお母さんと遊ぶ子供の声が聞こえる朝と夕方の時間。家族の笑声が聞こえる日曜日。なんで?!なんで?!なんで私は一人なの?!

当たり前のように家族で毎晩食卓を囲んでいたので、寂しくて一人で食事をする気にもならず、その結果なんと!1週間で8kgも痩せてしまった。もともとポッチャリ体系だったから、それはそれでよかったのだけど、体調も随分狂ってしまった。リンゴをかじってもオエェ~となる始末。


そしてゴールデンウィークに、笑顔で父親に送り出された母親が再び大阪の私の汚い下宿にやってきた。

扉を開けて母親は一言!


「まぁ~どうしたの!そんなに痩せてキレイになっちゃって!!やっぱり都会で生活する女の子は違うわね~お母さん田舎に帰ったら自慢しなきゃ!」


結果、その言葉で何かふっきれた私は、日を追うごとに友人も増え楽しくてしょうがない学生時代を送り、そのまま大阪で就職した。その後名古屋、東京と転勤を重ね、今度は「そろそろ田舎に帰って結婚でもしたら?」の母親の言葉を無視して働きまくった。

そんな母親も51歳と言う若さで胃癌で死去、その7年後父親が死去、東京で独りぼっちになった私はますます仕事に精を出した。


そして10年の月日が過ぎ、40歳目前に今の主人と知り合ってとんとん拍子に結婚した。

ちなみに、1週間で痩せた8kgの身体は、かろうじて現在もKEEP中(笑)







著者の大出 美砂子さんに人生相談を申込む

著者の大出 美砂子さんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。