大好きだったちいばあちゃんが、ある日別人に変わった

物心ついた頃から、ずっとそばにいた私の祖母、通称ちいばあちゃん。


私が、小学生の時は音読などの宿題を見てくれる。中学1年生の時は部活の愚痴を聞いてくれる。私にとっての祖母の存在は、かけがえのないものだった。


ちいばあちゃんと話すことが少なくなったのは、この頃からだろうか


ちいばあちゃんは私の話をいつも笑顔で聞いてくれた。そんなあたりまえのことをいつの間にかしなくなっていた。


あんなにしっかりしていた祖母が、ある日別人になった。認知症と診断された。


普通の人ができるあたりまえのことが、祖母はもうできない。掃除、洗濯、料理、トイレ。私はそんな祖母の姿を見るのが大嫌いだった。自分中にあるちいばあちゃんがどんどん壊れていく。


認知症と向き合うこと


学校から帰ったある日、祖母の背中を見た。すごく悲しげに見えた。急に、私とちいばあちゃんの思い出が蘇ってきた。頼るだけ頼って、使えなくなったら捨てる。私が今していることが、いかに最低なことなのかを知った。助けてあげれることは助けてあげなければ。


父親の罵声と祖母の泣き叫ぶ声


「やめてー」また声がする。始まった。私はこの声が聞こえると逃げるように部屋をあとにする。祖母はトイレに自分で行けない。そのため、私の父が祖母のオムツの交換をしている。嫌がる祖母。こんなやりとりが毎日、行われる。認知症と診断される前では、考えることのできない祖母の大きな声を聞くのは、嫌いだ。


後悔

なぜ、あのとき「ありがとう」たった一言が言えなかったのだろうか。今の祖母にこの言葉を伝えたくても、永遠に伝わらない。感謝の気持ちは、伝えるときに伝えなければ何の意味もなくなってしまう。

「ちいばあちゃん、ありがとう。」


家族とはなんなのか

ちいばあちゃんは今は別人かもしれない。でも、私が幼かった時のちいばあちゃんは永遠に私の心の中にいる。家族が助けてあげなければ、誰が助けるのだろう。助けることができるから、家族なのではないか。















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