登山をキッカケに人生前向きに!就活失敗女子が、カンボジアで起業するまで
就職活動と、苦悩の日々
わたしの大学生活は、大部分で言えばキラキラ充実していたと思う。
それが一転したのは、就職活動を迎えてからだった。
何がしたいのか、何をすべきか、わからない。
その頃の私は「社会に出る」ということが何を意味するのか、全くイメージできていなかった。
わからないなりに、同期の見よう見まねで頑張ったが、採用に結びつけられない。
どんどん自分が嫌いになってくる。
ついには、心の底から好きだった彼氏とも破局してしまった。
これじゃいけないと思い、なんとか内定をゲットできたが、すでに心の中はカラッポ。このまま働き続けても多分カラッポのままだと思った。
そうして、卒業までの日が一日一日と過ぎていった。
クリスマスイブの、おひとり登山
昼になって起きたが、今年のイブは何も予定が無かった。
しかし何もしないで引きこもってるのは嫌だった。
かねてから宿坊というものに関心があったことを思い出す。
つまりお寺や神社に宿泊するのだ。
調べてみると、自宅から電車で一本で行ける山に、宿坊街があるらしい。適当な宿に電話をかけて予約をとると、急きょ登山の支度をし、夕方の電車に飛び乗る。
御岳山は東京・奥多摩に位置し、標高929m(高尾山は599m)。山上に鎮座する武蔵御嶽神社からは、私の過ごした東京の夜景を一望できる。
そこでみた夜景は、私の胸をキラキラと熱く輝かせた。
実は、ほぼ東京でしか暮らしたことがなかった私。私は今、「大切な思い出がある場所すべてを見渡している」「私の大切な人みんなが、この光のどこかに今まさにいる。」そう思うと、とてもかけがえの無いものを目の当たりにしているように感じた。
しかし、無数の星々と、雄大な山々に囲まれていると、私の全てだったはずの東京がとても小ぢんまり、ちっぽけに見えてしまったのだ。ショックだった。きっと世界は広い。でも私は、こんなに狭い世界しか知らなかったのか.....。自分がここで悩んでいたことさえ、くだらなく思えてきた。
何にでも言えるが、何かを好きになりすぎたりすると、見えなくなるものがある。本当は、ちょっと後ろにひけば見えるはずなのに....
海外への新しい挑戦
そこで海外に行こうと思いついた。どこでもいい、この狭い東京を飛び出したい、せっかくなら日本を出たい!
ところが私は、日本語しか話せなかった。そこで思いついたのは、海外で発行されている日本語フリーペーパーの編集部で働くこと。間もなく、アンコールワットでおなじみカンボジアのフリーペーパー編集部へ内定。もちろん行ったことの無い国。着々と渡航の準備を進めた。(つづく)
著者の森山 真祐子さんに人生相談を申込む
著者の森山 真祐子さんにメッセージを送る
著者の方だけが読めます