のび太な友人は大切な友人で常に僕の隣を歩いていた。そしてヒーローだったー4年越しに気づいた友人の偉業

過去の僕:  ドラ息子で内弁慶。理想家。小学校3年の一年間「ニケ」のコスプレでバンダナをつけて学校に通うくらいどこかの何かがはっちゃけている。

青海苔:     読書家。当時は少数の人に嫌にいじられていた。リアリストで頭がキレる。一言多いところがある。小学生から高校になるまで一緒に遊んだ友人。


高3の夏から、僕は不登校になった。

個人的には非常に重要で必要な時期と感じながら無気力な毎日を過ごした。理想と現実のギャップをまざまざと思い知ること、孤独を初めて味わった。強く孤独を感じる時はその寂しさに苦しみ悶えた。こんなに1人が辛いとは思わなかった。毎日泣いていた。


思いや考えを否定されるのが怖くてとても学校の友だちに相談することができなかった。

僕は周りの友人を憎んだ。その時の僕は、「友達と過ごす時間」だけが人生の全てだった。僕が苦しんでいることを知っていながら、そのシグナルを伝えながら、何もしてくれない友人に。頼めば離れていく友人、頼めば手をさしのべてくれる友人がいたが、どちらに対しても不快だった。

「友達なら何も頼まなくても気持ちを汲んで助けてくれるんじゃないのか?」と思っていたからだ。


完全に他者依存の人間。それに気づくのは何年も後になる。









青海苔は小学校3年の時に転校してきた友人だ。その時真っ先に声をかけて仲良くなったのが僕。家がとても近かったのもあるかもしれない。入学して初めての転校生だと記憶している。すぐに打ち解け、お互いホビー大好きですぐに仲良くなった。


青海苔は読書家で知的で一歩下がって相手を立てるやつだった。人のいいところを見つけるのがうまいやつだ。可愛げのある生意気なところもあり、小突くところがあるやつだ。


ところで僕は漫画とアニメが大好きだ。コロコロコミックから始まり、サンデーに関しては10年間欠かさず購読している程だ。小学校時代はデュエルにロックマン、ベイブレードに明け暮れた。幼稚園、小学校低学年の時は、学年で一番足が速かったが、体重が増え、走力も並になってしまうほどホビーに打ち込んだ。

20を過ぎた今になって気づいたが、今まで僕は自分の価値観や目標を一番自分と向き合い考えぬくべきことを放棄し、自分の好きな主人公の思考を自分の価値基準にしていた。小学校の頃、心身ともに幼く、そんな青海苔の魅力的な人間性を知らず、「メガネをかけている」「弱虫」「人に付き従う」ことから知らないうちに「のび太」「れく太」「教授」に当てはめた。大事な友だちとは思っていても子分くらいにしか見てなったのだろう。遊んだ2回に1回は彼を泣かしていた。



僕は青海苔以外の毎日遊ぶ友人を「親友」として見ていた。上で述べたとてもくだらない価値観から、僕は青海苔を「仲の良い友だち」とは思っていても「親友」とは見ていなかった。自分で考えたわけじゃない価値観で大事な友人を測っていたのだ。








海苔はそんな僕の不登校が続いていたある日から毎日僕の家のインターホンを鳴らす。
僕は心の準備ができていな状態で人に会うのも怖くて合わせる顔もなく、インターホン越しに母が「ありがとう。先にいってて」と対応した。
来てくれて嬉しい半面、「青海苔のクセに何様だよ」と、プライドから自分が弱い立場である構図が気にいらなかった。







僕がそのインターホンに出ることも、一緒に学校に行くことも一度もなかった。





青海苔は高校最後の最後の学期の授業が終わる日まで僕のインターホンを鳴らしに来た。






遅れて学校に来た時は、帰り道

「学校には来いよな」から説教を始める。「お前なんかにそんなこと言われたくないね。色々あるわや」と減らず口を叩き、冗談交じりの言い合いになり、家路についた。







それでも青海苔は次の日になるとまたインターホンを鳴らしに僕の家に来た。








4年経った今、青海苔がどれだけ自分の背中を押してくれたのかを知った。


青海苔は僕が何か頼んだわけじゃなく、僕に手を差し伸べた。手を差し伸べ続けた。一度も青海苔の行為に応えられなかったにもかかわらず。


彼は僕のヒーローだった。決して理想の友人像に従ったからではない。

4年越しだったが色眼鏡が取れてきてよかった。


青海苔はのび太でも子分でもない。僕の後をついていたわけでもなく、自分の隣を歩いていた、大切な友人だった。彼は同じ立場で見ていたのに、僕はどこで拾ってきたかわからないくだらない価値観をぶら下げ彼をどこかで見下していた。だから彼が自分達と同じように振る舞うと、腹が立った。青海苔は小学校時代から自分を一貫していた。本当に凄い奴だ。そして、気づくのが遅くてすまなかった。


いつもありがとう。

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