タマムシの化石

小学生3年生の頃、どこかの森でとても綺麗なタマムシを捕まえた。
それは来秋、新作のコレクションとしてティファニーから発売されてもおかしくないくらい綺麗なタマムシだった
特別虫が好きな少年ではなかったけど、綺麗なタマムシには好奇心を刺激された

夏が終わってタマムシは死んだ。(たぶん夏だったと思う)
死んでもしまってもその綺麗さに憧れて、陶器製の小箱の中に入れ、アップライトピアノの上に置いていた
タマムシは死んでなお綺麗だった。
1週間に数回、アップライトピアノに登って陶器製の小箱を開け、綺麗なタマムシの存在をチェクして、「綺麗だな~」と思っていた。

今になると信じ難いが、そのタマムシは5年以上そのピアノの上にいて、ずっっと綺麗なままだった。
生物の体の組織上、5年も原形を留めておくことが可能なのかどうかはわからない
アップライトピアノの上に残している理由が綺麗さへの憧れてから、片付けることの面倒さに変わった後も、タマムシはそこに綺麗なままでいた。
そのうちピアノをあまり弾かなくなって、ピアノに近寄ることが少なくなった。その頃には陶器の小箱が視界に入ってくることも極端に少なくなった。

流石にもうピアノの上に陶器製の小箱は無いと思うけど、実家に帰って確かめてみないとわからない。
ピアノの上で眠るタマムシの化石

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