元引きこもりのクズ学生が、一念発起して外国にも行かずに4ヶ月で英語ペラペラになった話。
それからというものの、英語漬けの毎日が始まった。
勉強法についてしこたまインプットを重ねた僕がとった戦略は、至ってシンプル。
「日本にいながら、留学と同等の経験を積む」というものであった。
行き帰りの電車では、当然毎日英語の勉強。
「好きなものなら続けられるし覚えられるだろう」という理由で、勉強の主な材料は大好きな洋楽であった。
図書館にて歌詞を印刷し、電車の中で電子辞書を使って意味を検索。
さらに、帰宅後は何度も歌を口ずさんだ。
いつでもどこでも勉強する僕。
あまりの変わりように、親は心配しつつもどこか嬉しそうだった。
また、「英作文の能力が英会話の礎となる」という一節を読んだ僕は、ネイティブの先生に頼み込み、作文の添削をしてもらった。
毎回の授業後につきまとって質問を重ね、さらにメールでも作文の添削を頼む僕は、きっと鬱陶しいことこの上なかったであろう。
しかし、先生は僕の無理なお願いを快諾して下さり、どんな時も優しく対応してくれた。
今考えれば、有り難いことこの上ない。
ただ、そんなインプットよりも僕が何より重視したのが、アウトプットを重ねることである。
「どんなスポーツも、試合でな上手くならへん。英語も一緒や。ペラペラなりたかったら、ひたすら話すしかない」
こう考え、英語力が普通の日本人以下の段階から、臆せず英語を使いまくった。
京都には鴨川という川があるが、週末の鴨川は外国人が賑わうことで知られる。
そんな鴨川で酔っ払う外国人に突撃し、あまりに下手くそな英語で話しかけたりした。
「ハロー。アーユーエンジョイイング?」
「アイムタケ。ナイス、トゥー、ミーチュー」
時に相手の言ってることが分からず、困惑した。
明らかにネタにされてるのを察したものの、何を話しているのか分からず、ただ「ハハ…」と愛想笑いをしたこともあった。
ただ、転んでもただでは起きない。
なんとなく「こういうこと言ってたな…」って単語やフレーズの意味を調べる。
そして、次に会話するときには必ずその単語やフレーズを使う。
「何を言うべきか」忘れないよう、ポッケには常に単語やフレーズが書かれた紙を仕込む。
やがて学内にて外国人がたまる、外ベン(「外人ベンチ」の略称)にも顔を出すようになった。
外ベンの外国人には、よく英語を教えてもらったものだ。
アメリカ人「タケ、そのスラング、いまや使ってるヤツはいないよ、HAHA」
タケ「えっ、そうなの。。。」
お返しに、僕も日本語を教えてあげた。
ただ、たいがい覚えが良いのは、汚い卑猥な言葉であった。
それは僕も同じであったが。
さて、そうこうする内に、英語がみるみる話せるようになった。
夏には初対面の外国人に「どこ行ってたの?」と聞かれるまでになった。
”No, I've never been abroad.”
(いや、僕は外国に行ったことないんよ)
こう言うと、鴨川で飲んだくれてたスペイン人のとあるあんちゃんはこう返した。
"...Crazy. "
(…狂ってやがる)
4月に勉強を開始して、4ヶ月もたたない夏の日の出来事である。
こうして、勉強漬けの前期日程が終わった。
蓋を開けると、英語関連の授業は、1つを除き全て最高評価。
「やれば出来るんやな」と、しみじみ思った。
さらに、力試しにTOEICを受けてみることに。
「折角やから、TOEICも取ってみよ」
こんな軽い気持ちだったが、見事800点を獲得。
勉強を始めたときに仮想ライバルとして設定した「1年〜2年外国にいた学生」の点数は、700点〜800点ほど。
見事、当初の目的通り、彼らの実力に肩を並べたのである。
「こ、こんな俺でも、出来るもんなんやな」
それまで、人生でなーんにも成し遂げてこなかった、クズ中のクズだった僕。
この体験で、「やれば誰にも出来る」ってことを、身を持って体感した。
「800」という数字を見た時、それまでの親不孝の数々、そして勉強の日々が脳裏に浮かぶ。
思わず、目頭が熱くなったのだった。
その後も順調に勉学は進み、結果返済の必要がない奨学金の獲得にも成功した。
20数年の人生で初めてといっても良い、成功体験であった。
【僕が短期間で英語を身につけられた4つの理由】
さて。
ここまで長々と書いてきたが、なぜおバカで超怠惰だった僕が、4ヶ月という短期間で英語を話せるようになったのだろうか。
それは、以下4つの理由に集約される。
①明確な目的意識があった
②好きなもので勉強した
③仮想ライバルを作った
④自分を信じた
「家計を助ける」為に「奨学金を勝ち取る」。
さらにその為に「英語の実力を付ける」という目的意識が、当初の僕にはあった。
また、洋楽という好きなもので勉強することで、ほとんど苦痛を感じずインプットを重ねられた。
覚えも非常に早かった。
今振り返れば、書籍での勉強はあまり行わなかった。
さらに、「1年〜2年の留学経験のある学生」を仮想ライバルにしたのも良かった。
彼らと同じ授業を受けるたびに、「まだまだ差がある!もっと頑張ろう!!」という気を新たにした。
そして、最後に。
僕は、自他共に認めるクズの自分を信じてあげた。
正直言って、根拠はない。
なぜなら、これまでの人生で全く成し遂げたものなぞなかったから。
「自分を信じるしか無かった」というのが正しいところかも知れない。
ただ僕は、半年ほどで英語がペラペラになる未来を疑わなかったのだ。
4つの理由のうち、これが一番大きいと思う。
①明確な目的意識があった
②好きなもので勉強した
③仮想ライバルを作った
④自分を信じた
これさえ守れば、誰だって日本にいながら、英語を喋れるようになる。
だって、僕ですら出来たんだから。
あなたに出来ないワケがない。
”Trust Yourself.”
自分を信じよう。
シンプルだが、大好きな言葉だ。
ここまで読んでくれたあなたに、この言葉を捧げます。
本当に、有難う。
あなたの英語学習が成功するのを、心より祈願致します。
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