実証しなければ、真実とは言えない。

 実証しなければ、真実とは言えない。

  大規模塾では、生徒とのラインやメールの交換は許可されていない。エロ事件が多発しているからだ。大規模通信添削でも、添削をしっぱなしで質問は受け付けない。それどころか、添削者の経歴も何も分からない。危ないだろう。

それで、私は通信生を集める際に、365日24時間無制限に質問を受け付けることにし、同時に、ブログ、動画、ホームページで自分が何者か公開した。保護者や生徒の不安を解消したかったのだ。

  保護者の方は、塾講師が誰で、どんな経歴の人か分からないと安心して娘さんを預けられない。講師だけではない。ヘタをすると、添削者さえいつストーカーに変身するか分からない。それだけ、エロ事件が多いのだ。嫌な時代だ。

  私は、結婚前につきあっていた女性にプロポーズしたら、その母親に「なんで、名大まで出て塾なんてやってんのや」「そんな男に娘はやれん!」と言われた。信用がない。「どうすれば信用してもらえるのだ」と悩んだ。

 「私を信用してください!」なんて、甘い。実証しなければならない。「世の中、ウソばかり」。そういう声が多いので、私は出来るだけ実証しようと思った。名古屋大学の教育学部で学んでいる時、おかしいと思ったのだ。教育学部の学生だったのだが、「こうすれば授業が面白くなる」という講義中に多くの学生が寝ていた。

 口先だけの学者にはウンザリしたが、そういう自分も中身はスカスカだった。だから、最初は「どうすれば、英語ができることを実証できるのか」と考えた。私の結論は、「アメリカ暮らしで箔を付ける」だったが、浅はかだった。

 そんなことでは名古屋の大規模塾に出した履歴書はすべて無視だった。それで、次は英検1級や通訳ガイドの国家試験に挑戦した。10年間で、39通の合格通知、不合格通知が残った。ところが、これも、私の勘違いだった。

 塾というのは、講師に力があってもダメなのだ。塾生の学力が上がらないと支持されない。つまり、合格者の数。合否を決定するのは、英語だけではない。それで、中学生は5科目の指導ができるように勉強するしかなかった。地元中学の定期テストを集めて、それに解答を付け始めて10年間。1万枚ほどの中間・期末テストが手元に残った。

 それでも、「理科や社会もできる」と言っても信用してもらえない。そこで、理科と社会のクラスを設置して、教え始めた。すると、四日市高校や桑名高校に合格する子が徐々に増えていった。

 この頃に、名大の大学院を受けた。筆記試験で合格して、面接で「仕事をやめて入学できるのですか」と念を押された。合格を確信した。でも、この頃には塾生が多く、娘も生まれていた。「オレは、学者になりたいのではなくて見返してやりたいだけなんだ」と自覚して、塾経営に専念することにした。

 いまや、予備校の講師はタレント同然で「私に任せなさい!」と叫んでいる時代だ。マドンナのような講師や、ヤンキータイプの講師がもてはやされる。TVのバラエティ番組に出て、本をたくさん書き、莫大な収入をあげている。億ションに住む講師もいる。クソっ!

 でも、彼らは実証したのだろうか。本当に彼らの言うとおりに答案を書いたら、京大や阪大、名大に合格できるのか?そこで、私は考えた。「よし、自分で受けて実証しよう」。それで、長女と一緒に三重大でセンター試験を受けた。入り口で不審者と間違えられて、追い返されるところだったが受験できた。

 結局、10年間で、京大を7回受けた。定宿は「からすま京都ホテル」。バスでの送迎の時も、「ご父兄は乗れません」と止められそうになった。その受験勉強の過程で、京大模試を10回、Z会を8年間受講して、ライバルの手法を盗んだ。英語の正解率は8割を越え、数学は7割正解だった。それを、ネットで公開した。

 こういう実証主義は、いいことばかりではない。お金や時間がかかるという意味ではない。実証主義は、成績上位層にウケが良い。実際、こんな田舎の個人塾なのに、4年連続「京大」合格者がでた。そのうち、3名は医学部合格だ。しかし、私のもと奥さんも親も(もしかしたら、娘たちも)学園ドラマのような落ちこぼれを救う講師を支持しているらしかった。

 塾は塾設立以来、一度も赤字になったことがない。しかし、娘たちが大学受験の頃に教育ローンを利用し、その頃にバツイチになったので、返済に困りカードローンもめいっぱい使った。銀行や金融公庫などは、信用がないと融資も受けられない。私は「熱血講師」を選べる状況ではなかった。中京銀行の融資担当の人に「銀行は、大規模塾を勝ち組、あなたのような個人塾は負け組みと思ってます」と罵られたのは忘れられない。

  生徒から写メやファイルを使った質問がよくくる。私は、返信以外はメールをしない。内容は、教科指導以外のことは書かない。それは、ルールというよりエチケットだと思っている。それが、エロ教師ではないことの実証だと考えている。バツイチになって、女性と関わるのは、懲り懲りだし。

  賢い子たちは、そういう私の学力や節度を信用してくれる。このサービスは無料なので、最大限に利用し、私の知識や情報を吸収して合格していく。部屋に娘たちの写真が飾ってある。塾に来てくれる生徒が、親にとってどれだけ大切な子なのか分かっているつもりだ。

合格実績(高木教育センター)
2016年度(7名) 京都大学「医学部」、京都大学「理学部」、大阪大学「人間科学部」、名古屋大学「経済学部」、名古屋市立大学「医学部」、神戸大学「経済学部」、御茶ノ水大学「理学部」

著者のキョウダイ セブンさんに人生相談を申込む

著者のキョウダイ セブンさんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。