ある日の、理系女子との会話(1)

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「なんの力も加わらないのに、動くはずがない」

「だとすると、どこからその力が?」

「研究すれば?」

「面白そう!まず、大学合格しないと」

「そうだよ」

「でも、倒れないようにね」

「ありがとうございます。でも、大丈夫です」

「みんな彼氏がどうしたとか言ってるけど、私はあまり興味が持てません」

「それは、それで問題だけどね」

「でも、先生、多くの流行歌が愛たら恋たら、おかしいでしょ」

「私もそう思うけど」

「遺伝子が子孫を残せって言ってるだけじゃん」

「ちょっと、それを言ったらお終いでしょ」

「そうなんですけどね」

「踊る阿呆に、見る阿呆だよ」

「男子って、条件反射なんですか?」

「そんな簡単じゃないよ」

「でも、彼氏が何の反応もしなかったら、ショックでしょ」

「でも、毛の処理とかめんどうだからなぁ」

「はい、もうやめようね」

「先生、立体に垂線をおろす条件なんだっけ?」

「それは、二つの内積・・・」

「あ、ちょっと待って」

「さすがに賢いねぇ」

「できた。じゃ、ここ見て下さい。何が間違いでしょうか」

「あぁ、これは置き換えした時の積分範囲の変化を忘れてる。らしくない」

「もったいないなぁ」

「なにが?」

「黙っていればベッピンサンなのに」

「そうなんですか?」

「これから、お年頃なんだからフリフリの服着てさ」

「それ、ムリ」

「なんで?」

「他人と同居するなんて、想像できない」

「先生もそうだけど、いろいろあったからね。キミはこれからだよ」

「物理の世界の壮大さに比べたら、人間関係なんかどうでもいいし」

「こりゃ、ダメだ」

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