「また明日!」を言わなくなった… 【其の十(完)・ただいま!】

前話: 「また明日!」を言わなくなった… 【其の九・呼び名】

【おかえり!】

同じ家から出かけて、同じ家に帰ってくる。

独身時代の実家暮らしの時にはなかった感覚です。

互いの都合の良い場所で待ち合わせ、帰りは私が彼女を駅のホームで見送る。

そんなスタイルが当たり前で数年の間ずっと続いていたわけですから。

別れ際に決まってかける言葉

「じゃあ、また明日!」

「うん、また明日!」

一つ屋根の下に住むことで大きく変わったと感じたのはこのことでした。


「ただいま!」

「おかえり!」


「また明日」という必要がなくなったんだなと。

一緒に出かけても、別々に出かけても「また明日」は考えなくてよい。

これってとても地味だけれど、心から温かい気持ちになれるんだなぁなんて。

あれから15年経ちましたが、この気持ちは今も変わっていないような気がします。

小さな幸せですが、とてもとても大切でかけがえのないもの。

これからも大切にしていかないと^^;

(完)

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