第8話「Bolt Motor Bike」

サンフランシスコは坂ばかりの街で、すごく疲れてしまう。
そうなんです、バス賃なんて払っていられない(といっても、1回の乗車たかが2ドルですが...)。シリコンバレーのFREERIDERでの交通手段は、ほとんどが徒歩。どこよりも発展した街だからといって、UBERやLYFTといったオンデマンド配車サービスを使うなんてもってのほかです。
アポイントと、アポイントの間、一時間を走って走って、「Hey! What's up guys! ハァハァ...」と息を切らしながら駆け抜けた日々もあります。
そう数えるくらいしかない、バスを使って遠征したアポイントは、ナイスガイが集まる「Bolt Motor Bike」の奴らへ取材へ行った時でした。
サンフランシスコのBrisbane(ブリズベイン)。こんな片田舎まで来ることは、ほとんどないでしょう。そこは倉庫地帯で、約45分に1本しか出ない292バスを使って、ちょっぴりギリギリの到着で移動しました。何もないサンフランシスコの景色は割と美しくもあって、ラッキーでした。
Brisbaneまで着いたはいいものの、どこに彼らはいるのか。迷うこと、20分。

Bolt Motor Bikeのチームと会ったときは、「い、いかつい...。」
しかし、シリコンバレーのFREERIDERはいかつい人たちに気に入られると相場で決まっています。
今回も、仲良くなるスピードは出会って3秒でした。
Bolt Motor Bikeは、次世代の電動バイク(Eバイク)といったとこと、自転車にバッテリーをつけて、なかなかのスピードで移動することができます。あくまで、自転車の規格内で施しがなされているため、免許も、保険も必要なしです。
根っからのバイク好きで、悪ガキ3人が作ったギリギリセーフな乗り物です。
その思いは世間にも認められて、クラウドファンディングサイト「INDIEGOGO」での資金調達にも成功することができました。

創業者であるNathanにいわれるがままに、Boltの乗車へ。
シリコンバレーのFREERIDERが、ついに仮面ライダーに近づいていく歴史的瞬間です。
とはいえ、「本当に乗れるのかな...。」と不安でいっぱいに。
FREERIDERの運動神経のなさは人並み外れているところ。
運転免許を取得するのに、実技で普通の人が20回程度で終わるとことを、54回も通うことに。
教習所もギネス記録をあげたがっていたレベル。
それが、乗れたんです。
めちゃくちゃ気持ち良かったんです。
風を切るBoltと、髪がなびくFREERIDER。

そう言ってくれたBolt Motor Bikeチーム。彼らは、その後、ラスベガスで例年開催されるCESで優秀賞を受賞することになります。スタートアップは、世界を変える一番の近道です。そんな彼らと一緒にいた、シリコンバレーのFREERIDERは、まだ世界の目撃者に過ぎなかったのです。