カリフォルニアの大学生がNYのWall Streetへ送った一通のメール

2013年1月15日月曜日午後1時14分・・・San DiegoからNew Yorkのある投資銀行に届いた一通のemailは、わずか30分の間に社内や他の投資銀行に転送され、その内容の素晴らしさが口コミで広がり、同じ人に20回も届くと言う結果を作りました。



                        



それだけ、反響が大きかったんです。


送り主は、Matthew Ross(マシュー・ロス)というSan Diego州立大学の大学生。Matthewは、夏のインターンシップを希望して、NYの名門投資銀行のDuff & Phelps(ダフ・アンド・ヘルプス社)へ履歴書を添付したカバーレターをメールで送りました。



             

             



そのカバーレターの内容が、「誠実で」「謙虚で」「やる気に満ちて」いたのです。


私にも記憶がありますが、アメリカの大学生がNYのWall Streetの投資銀行へ送る履歴書とカバーレターは、自分の成績や過去の活動内容の実績を誇張して、「俺を採用しなかったら、会社の損です!」くらいの勢いで書いてあります。それが、当たり前なのです。なぜなら、読んでもらいたいからです。


しかしながら、Matthewのカバーレターは、まったく過去の実績には全く触れていませんでした。そのカバーレターには、生き馬の目を抜く勢いのWall Streetにあって、いままで投資銀行マンが忘れかけていた「誠実さ」「謙虚さ」「やる気」を思い起こすほどの内容だったのです。


San Diego State University(サンディエゴ州立大学)と言えば、NYのWall Streetに名前が出る大学ではありません。全米の州立大学中165位の大学なのです。カリフォルニア州立大学バークレー校の21位と比べれば、その違いは歴然です。しかしながら、Matthewは大胆にも、NYの投資銀行へメールを送ったのです。




           



そして、読んだ投資銀行マンは、だれもが心を打たれ、Matthewに面接をしたいと思ったのです。


その内容を、ここで和訳してあります。


「〇〇様

私の名前は、Matthew Rossと言います。San Diego State University(SDSU)で、ファイナンスを学ぶ学生です。私は、2年前の夏に、NYのスミス・ウエンスキーというレストランで、あなたにお会いしました。その時は、メジャーリーグで審判をしている叔父と一緒に、東海岸を旅行しているところでした。私は、その夜に、わざわざ時間を作って話しかけて頂いたお礼を言いたかったのです。


私は、あなたの会社で、出来れば夏のインターンシップが出来ないかと言う問い合わせのために、この手紙を書いています。SDSUのような平均的な大学の学生が、Duff & Phelpsでインターンをするなんて、とてもあり得ないとは分かっていますが、ひょっとしたら、例外を認めてくれるんじゃないかと思っていました。私は、投資銀行業務に極めて興味があり、あなたの指導のもとで学ぶことが最高だと考えています。私は、コーヒーを持って来たり、靴を磨いたり、クリーニングされたものを持ってきたり、ただ同然で働くことには、まったく心配がありません。正直に言うと、この業界のプロの人たちのそばにいて、出来る限りの知識を得たいだけなのです。


私は、自分の資格を誇張したり、仕事の肩書きを見せびらかしたり、自分の過去の実績がいかに完璧に投資銀行のインターンシップに合っているかというたわいないことを言うことで、あなたの時間を無駄にはしません。実を言うと、私には、信じられないほどの特別な技術や、天才的な能力はありませんが、GPAが満点に近く(GPA3.75)、あなたのために一所懸命に働くと言う気持ちがあります。(インターを受けるに)ふさわしい価値があるとするなら、メリルリンチの財産管理部門でインターンシップをやったことと、SDSUで投資銀行業務のクラスを取ったことです。


私は現在、SDSUの大学院の会計学コースの入学許可を待っています。もし、入学許可が下りたら、この秋学期から始めます。また、会計学コースが終了したら、ロースクールへの入学も計画しています。そのことは、あなたにNYでお話した通りです。ぶっきらぼうな内容で申し訳ありませんが、この夏には、あなたの元で私を指導することを真剣にお考え頂きたいと思っています。私の履歴書を添付しますので、ご検討下さい。電話やメールで気軽にご連絡下さい。お時間を頂きまして、ありがとうございます。

敬具

Matthew Ross」


あなたは、このレターを読んでどう思うでしょうか?



              



まったく自分の過去の実績を語ってはいません。ただ、自分のやる気を話しているのです。それも、正直に、そして誠実に。


そして、後でわかったことですが、Matthewは、高校時代にスタープレイヤーであったのです。アメフトや野球やバスケで、たぐいまれな能力を発揮しました。コーチや監督から、高校を卒業して惜しむ声が聞こえたそうです。


そんな経歴を一切言わない彼の謙虚さと、NYのWall Streetへメールを出すという大胆さ。そして、「今まで見た中で、最も優れたカバーレター」という評判を勝ち取るのです。


San Diegoで地区大会優勝に導くリーダーシップがありながら、つねに自分を謙虚にして、且つ大胆に、そして努力を貫く姿勢に、NYの投資銀行マンは、インターンシップの可能性だけではなく、入社の条件を全て兼ね備えていると評したのです。


アメリカの大学生は、「自己陶酔」がひどいと言われています。「俺は、何でも平均以上だ」と言わんばかりなのです。そんな中でのMatthewのカバーレターは、Wall Streetに新鮮な響きを与えたのでしょう。


日本でも、アメリカでも、「正直」「謙虚」「勤勉」に価値を置いています。そのことに、あなたも気づいて欲しいのです。そして、『有言実行』なのです。


あなたには、どんなやりたいことがあるのですか?


そして、そのやりたいことを達成するためには、何をするのですか?


Matthewは、自分のやりたいという投資銀行でのインターンシップを叶えるために、「メールを送った」だけなのです。


一歩前に出る・・・これが、大切なのではないでしょうか?


どんな結果が起こるか分かりません。しかしながら、その結果を受け取る責任だけがあればいいと思っています。


自分の学ぶ大学がどうであれ、そのために自分のやりたいことに「制限を与える」ことは、必要がありません。大学の偏差値で、自分の将来を決めつけないで頂きたいです。


私が、当時偏差値40台だった獨協大学から、10年後アメリカの大学院へ入学し、NYの投資銀行に入ったことは、私の人生の可能性を証拠として表しています。


どうか、このMatthewのように、自由に自分を生かすことを考えて下さい。そして、自分の人生に「遠慮」なんて必要ないんだと信じて下さい。人生の選択肢は、たくさんあるのですから。


ここまでお読み頂きまして、ありがとうございます。


感謝


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