隣のコンサル

赤坂にあるビルの高層階。アメリカ大使館やホテルオークラ、遠くにはお台場も見える。そんなビルに入っている我が社のお隣さんは外資系コンサルタント会社。

このビルは築30年になるがオーナー企業の努力もあって未だに高級オフィスビルとしての地位を維持している。

我が社は5年近く前にこのビルに移ってきてから従業員の増加に伴い3フロアーを移動。

その内、2フロアーで外資系コンサルタント会社の「お隣さん」だった。

周りを見回してもマッキンゼーが千石山森タワー、アクセンチュアが赤坂インターシティーと多くの外資系コンサルタント会社外資系集中している。


最初のお隣さんは欧州系の戦略コンサルタント会社。

サイズは比較的小さく、まとまりがある感じ。

入口はエレベーター直結で重厚な木目調で薄暗い中で社名のロゴをライトアップしている。

いかにもお金を掛けています。うちは高級ですよを主張している様に見える。

欧州系の他の会社同様におっとりとしているかと思っていたが真逆。

「知的体育会」を標榜している様に朝から晩まで働き詰めで疲労感を背中に漂わせて廊下を歩いている者が多い。 早朝に電話会議があるので出社してみると明らかに徹夜明けという若手社員が裏口から髪の毛をバサバサにして出てくるのに遭遇したりする。

コンサルタント会社の常で明確な部門がある訳では無く「プロジェクト」毎にチームが組織される様だ。

割と若い人とのが多い様でよく上司や先輩と思われる人と一緒に行動して質問やアドバイスを貰っている姿を見かけた。

この会社のホームページの採用ページを見ると先輩社員が平気で「コンサルタントは過酷な仕事だ。」とか、「会社のブランドに頼るのでは無く個人個人の力量をブランドとして機能させる。」とか、教育担当者が「新卒後5年で自分が世界で通用するビジネスパーソンに成長できる環境」と言っているが、要は個人のハードワークで保っている会社で、新卒後5年いることが簡単ではない環境と言っているのだろう。

これには理由があって、マッキンゼー、ボストンコンサルタント等のFirst Tierの会社に対抗しようにもネームバリューで劣る為に、安いフィー、短納期。前述の2社が受注しない様な案件を積極的に受注。

そのツケが現場のコンサルタントに科されてくることになる。


一方、もう一社のお隣さん。

アメリカ系でサイズ的には中の上くらい。コンサルタントが100人位とバックオフィスが数十人規模。

事務所のトップは頻繁にテレビのニュース番組にコメンテーターとして登場。

マッキンゼー、ボストンコンサルタント程では無いが知名度は高い。

その為、新卒採用の際には多くの若い候補者がやって来る。

4月になるとこれまた沢山の人が新入社員として初々しい姿を見せるが、逆に言えばこの位の人が辞めているという事なのだろう。

また何故か1日中、廊下や階段で電話を掛けている人が多い。

仕事の話ならオフィスの中で出来るのであろうからプライベートな内容。

転職が多いそうなのでヘッドハンターからの電話でも受けているのだろうかと。

こちらの社員、中年以上の役職者は高級スーツを見に纏い颯爽とクライアント先に出かけて行く。

一方、若手はやはりダークスーツを着ているが眠そうな目をして廊下をさまよっている、

社員の中には少数ではあるが外人もいる。が、外人のゲストの数も思っていたより少ない。

聞く所によると、新卒で2年、中途採用なら6ヶ月でパーフォマンスが上がらなけれキックアウトされるという。

同じビルのレストランで昼食を取っていると、件の会社の新入生。

お互いに過去の栄光について話をし、次いで将来に関して、

「次はファンドか、事業会社の部長職以上だな。」

「お前は何年ぐらい居るつもり?」

「まあ2年だな。MBA留学したと思って。」

「そうだな。コンサル勤務のブランドを手に入れたら次は収穫だよな。」

彼らが2年間保つことを祈ろう。


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