Quality of Life

ここ数年、医学関係の編集に携わることが多い。学会の先生方の論文の中で、何度も見かける言葉が、QOLという言葉である。正式にはQuality of Lifeという。人がいかに人間らしい健康的な質の高い生活を送ることができるか、というような意味合いであるが、医学上では、これが、患者さんに対して、医療とともにより良い生活環境を整えるのか、というようなことでもある。

 

しかし、私がこの言葉を目にしたのは、もう40年ちかくも前のことであった。確か新書版で「クオリティライフの発想」という渡部昇一氏の本である。神田の本屋で手にした時、自分の人生の指針として、ライフスタイルの基本となる生き方をしていこうと心に決めた言葉の一冊である。頭の片隅に「Quality of Life」を意識しながらいばらの道を歩んできたような気がする。まだまだ女性が社会的にも優遇されていない時代、どれだけ人間らしい生活や自分らしい生活を送り、家族を幸せにし(母や、兄弟姉妹や子供がどれだけ幸せに感じて暮らせるのか)、心や体の健康、良い人間関係をつくり、人脈を増やし、仕事に熱意を持ち、快適に暮らせる場所を見つけて生きて行くことが出来るのか、いつも考えていた。今、この地で土にふれ、花や樹と自然の環境に囲まれ、海辺や、山を歩きながらいままでの楽しかりし年月を振り返っている。

 

この年齢を重ねて今までのことを心の糧として、しばらくはこの見知らぬ地で暮らしてみようと思いつつ、遠く、太平洋の水平線を見つめている今日この頃です。

 

やりたいことはいっぱいある。読みたい本がいっぱいある。聞きたい音楽がいっぱいある。観たい映画がいっぱいある。行ってみたいところがいっぱいある。

そして、さわやかな風が通り過ぎていく。6月になりました。

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