今日の晩飯もスライムか: 魔法使い養成塾の立ち上げ方 ラスト

1 / 2 ページ

前編: 大怪我~今日の晩飯もスライムか: 魔法使い養成塾の立ち上げ方 その7

ダーマによる2万ゴールド詐欺事件から3ヶ月。


ダーマに声をかけられた時は怪しんだが
すぐに「塾経営」という新しいビジネスモデルにワクワクした。

一心不乱に仕事をし、先が見えてきたと思った矢先の裏切り。

そして・・・怪我。


幸い怪我は軽かったが、資金が枯渇したどころか
1万ゴールドの返済が残っていた。

店を売却したがまだまだ足りず今後は
毎月1000ゴールドづつ返済しなければならない。

なんで俺だけがこんな目に。

======================

怪我は軽かった。
しかしとてもまともに戦える体とはいえない。
完全に回復するまであと半年はかかるらしい。

店舗はすでに手放しており、たまに
過去の受講生や知人相手に魔法を教えることで生計を立てていた。

しかしそれもすべて返済に回さなくてはならない。


万が一にも負けないようなスライムを狩ることでなんとか生き延びていた。



数年前ならモンスターを倒すことで
ゴールドを得ることができたのだが
最近はまったくゴールドを落としていかない。


スライムを倒すのは、それを食料にするためだけだ。
モンスターを食べるだなんてなんとも情けない話なのだが、しょうがない。


それにしてもスライムなど、いくら食べても慣れるものではない。

『しっかしなんでこんなに生臭いんだ?』

いや、見るからにまずそうなこのモンスターを口にする方が悪いのだ。
うまいわけがない。


試しに魚の調理と同じように、焼いてみようか。

その辺にあるアリアハンだけに生息する樹木から
枝を数本切り取り地面に並べ、さらにその上に落ち葉をパラパラと乗せる。

指を立て、意識を集中しそこにメラを放つ。


バスッ!


ちょうどいい火加減のメラが木の葉をの下の枝に届き、じっくりと葉にも燃え広がっていく。





傍らに転がっている、さっき倒したばかりのスライムに目をやる。

すでに命はなくスライムというよりただのゼラチン質
といったほうがしっくりくるこの塊に、鋼の剣の刃を差し込む。

こぶしと同じくらいの大きさに切り取り、つい先月治ったばかりの左手で持った。


『明日の天気はどうだろう』

ぼんやりと考えながら左手に持っているそのゼラチンを炎の中に放り投げる。


数秒程度でチリチリと音を立て始めた。
10秒も経つとこぶし大のゼラチン全体に火が回るのが見えた。

みんなの読んで良かった!