会社なんか作ってみました

突然勤めていた外資系企業がグローバルの顧客と日本(ドメ)の顧客の商売に分割され後者が日本企業に売却される事に。

2/3のお客様は国内中心。と言っても日本のメガバンクや誰でもしている様な製造業企業、コンビニにあるATMの会社等のインフラを提供していた。

インフラと言うものは消費者の目に触れないので本国での絶対的な知名度(有名な発明家が起こした元独占企業なので、まず知らない人はいない)に比べると我が国では地味な存在だった。

日本の事業は元々コンピューターの巨大企業、米国のI社の一事業部。

その事業部の方達が揃って出てきたのに加えて、若干の管理部門の人達。

そこで元プロジェクトマネージャーの方が管理部長をやっていたり、IT部長をやっていたり。

それでも人事やファイナンス、購買などの専門職は流石にこなせず、外部から中途採用をしていた。


そして再度、売却による異動。残る者が幸せなのか、異動する者が幸せなのか?

異動する先の会社は弁護士事務所が設立してくれたが、笑えるのがその資本金。

100円を払込むのに本国の承認を取るのが大変で間に合わなくなりそうになり、結局経理部長がポケットマネーから貸し付けることに。

(あの百円どうなって回収したのかなあ?)


日本の主力事業の売却はアジア・パシフィック地域の売上を大きく押し下げ、結果、香港にあった地域統括会社の間接部門、経理やファイナンスの人員の整理も同時に行われた。

そこで再び事業部門の人々、日本独自のオペレーションをする為に必要だった間接部門の人々、経理やファイナンス、人事・ITのスタッフが新しく設立された会社に移ることとなった。

ここで問題になったのが主要な部長ポストの内、移籍した人がいないか若い人の場合。

例えば人事部長。さすがに人事部長は残った部隊にも必要との事で残留。

移籍したのは若い女性スタッフ一人。

そこで新マネージメントチームで相談の結果、年長で人格者と思われる「技術者」が人事部長に登用された。

購買も全員残留。そこで一番手癖が悪いというコンプライアンス疑惑の強かった営業部長を、「あいつに営業をさせたんじゃ危険」と、いうので購買部長に。

(購買ならコンプライアンスに疑義が有っても良いのだろうか?)

どちらも実務をするのは買収した親会社からの出向組。


私は元の会社でファイナンスのトップ。今回の買収の交渉中にも”ポシャりかけた案件”を何とか成立させる為に何度も買収先の企業のマネージメントにプレゼンをして、相手をして「やっとまともに会社の数字を説明できる人が来た。これでやっと交渉になる。」と、まで言わしめた経緯があった。

その”功績”の為か、元々の元々の会社であったI社から来た同期で占めていた役員・執行役員等の役職の内、「監査役」にしようと買収先に打診。

「あの人は経理財務部長でしょう。経理財務部長を監督する地位に経理財務部長が就くなんて有り得ません。」

と、そう言われたそうだ。そりゃそうだ。そんな事を言うこと自体が恥ずかしい。

結局、監査役には本社のCFOと監査役が就任。

こちらは特別に設けられた「財務本部長」なる役職を頂くことに。


変な所が民主的で、会社の”モットー”は社員から公募した中から選んだ。

準備期間が2ヶ月しかなかったので何でもかんでも、元の会社か親会社の物の焼直し。

場所も取り敢えず1年近くは同じビルで被買収組と残留組が別のフロアーで同居していた。

毎週月曜日の朝に経営会議なる幹部会をやり始めたが、その議事録を見てビックリ‼️

審議の途中で出た”きわどい”話がそのまま書かれている。

「こんなこと書いたら監査で、これはどういう事ですか?」と会計士に聞かれて相当にマズイ事になる。

「監査法人が監査に当たって一番最初に求めるのは株主総会、取締役会、経営会議等の議事録です。

ですからどの会社も、議案名、結果しか書きません。」当の経営会議でこう説明してやっと事なきを得る次第。


そうこうする内にNo2のポジションだった営業部門の責任者が下からの突き上げで営業を外れることに。曰く、「言っている事が分からない。」

そしてあろう事かこの何を言っているのか分からない役員が私の上司に異動。

曰く、「ここなら下がしっかりしているから大丈夫だろう。」

頭の中は❓❓❓

「会社ごっこ」は流石にここまで。

これ以上は監査法人のみならず規制当局へのリポートに関わり最悪刑事責任も問われる可能性も。

ここに2年に及ぶ「会社ごっこ」は幕を閉じ、また新しい道を歩む事を決断した次第。


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