【第40話】父子家庭パパが所持金2万円からたった一人で子供2人を育てた10年間だったけど、これで良かったのか今でも分からずに文字にした全記録を、世に問いたい。~最終話まであと7話~

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前編: 【第39話】父子家庭パパが所持金2万円からたった一人で子供2人を育てた10年間だったけど、これで良かったのか今でも分からずに文字にした全記録を、世に問いたい。
後編: 【第41話】父子家庭パパが所持金2万円からたった一人で子供2人を育てた10年間だったけど、これで良かったのか今でも分からずに文字にした全記録を、世に問いたい。~最終話まであと6話~

季節はすっかり夏になり、仕事も順調でお金もそこそこ稼げるようになり、生活も安定し始めていた。


下の子の受験勉強は中学2年生になったこの夏が勝負だと思った。


何せ、今までの怠けっぷりは常人の域をはるかに逸脱している。


どうしても下の子に努力して勝ち取る喜びを教えたかったし、その上で将来につながるような人生のスタートラインに立ってもらいたかったわけで、親としても、彼にとってもベストな選択であると考えていた。


目標に向かって努力して、精いっぱいの力を尽くしてダメならば仕方ない。でも、与えられた環境でベストを尽くすことなく諦めたのでは、先が思いやられる。


結果がどうであれ、自分の力で道を切り開いていけるような人生を、子どもたちには望んでいた。


親が片親で貧乏だから、子供にまともな教養がないと思われたくはなかった。

父子家庭にもプライドはある。


高校がすべてだとは決して思っていない。だけど、自分が選ぶ人生のその第一歩で、どこでもいいとか、なんでもいいとか、どうでもいいなんて言う決め方を、してほしくなかったのだ。


子供たち2人を高校に入れて、卒業させる。


その後、自分たちの進みたい道を選択し、自らの意思で進んでいけるように。


上の子の受験勉強である程度をコツつかんでいた僕は、自分なりにもっと早いタイミングで勉強を始めれば、違った選択肢が増えたに違いないと、多少後悔していた。


上の子の時は、生きるために他にやらねばならぬことが多すぎて、あまり勉強を見てあげることが出来なかったことに、悔いが残っていたのだ。


もっとやれたに違いない、あの時もっともっとやってあげられたのではないのか。


時が過ぎれば、必ずそう思うことを知った僕は、下の子の時はそんな後悔をしないように、してあげられることに時間を使ってあげたいと思っていたのだ。


今までは、それどころではなかった。


埋めきれない心の隙間を、下の子の受験勉強に付き合うということで、僕は勝手に埋めようとしていたのかもしれない。


いずれにせよ、勉強に励んでマイナスになることはあるまいと、夏休みになったその日から、下の子との勉強をみっちり見てやろうと決めた。下の子もやればできるし、そのうち自分の知らないことを知る喜び、何かを覚える楽しさを分かってもらえると信じていた。


夏休みの宿題を基本に、近所の本屋で選んで購入した問題集、それらを夏休みの期間毎日少しずつやろうと決めたけど、下の子は全く気が乗らない様子であいまいな返事を返していた。




北関東の茨城県といえども、真夏ともなれば気温35度を超え、うだるような暑さになる。


いくら生活が多少安定したとはいえ、数年前に壊れたままのクーラーを買いなおすほどの余裕はなく、小さな扇風機1台で過ごしていた。


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