日本版ビジネススクールに行くのはお得か?
1990年代の第一次日本版ビジネススクール・ブーム。正に雨の後のタケノコの様に各校が開設。
入学者は卒業してMBAを取得すれば人生が変わる。転職して好きな仕事をバリバリできる。
と、そんな幻想に捉われていた。
そして直ぐにそんな考えが幻想でしかない事を思い知った。
日本企業への転職ではまず意味が無い。
「お勉強が好きなんですね。」とか、「よくそんな時間とお金がありましたね。」と、皮肉を言われるのがせいぜい。
外資の場合、それなりのポジションへの応募であればMBAを持っているのは普通。
その意味ではプラス2ー3点と言うか、マイナス点が付かないと言ったところか。
そもそも日本のビジネススクールは、慶応大学ビジネススクール等の一部を除くと夜間や週末集中。
終日のコースの連中がケースの分析やプレゼンテーションの準備をしている夜間・週末を講義、議論に使っているので自ずと踏み込む深さに限界がある。
それでも限られた時間の中でチームで分析を行う者、プレゼンテーションを用意する者、発表する者と分業でやり繰りする。それも皆んなこそっと仕事の合間。これはこれで時間管理と協業の訓練にはなったが。
終電車を意識しながらの討議。明日の朝の会議を思い浮かべながらの授業は、何かを成し遂げた感には満ちるが、やはり全日制には敵わない。
ハーバードでも授業は50人位の人数で行われている。
それに比べると国立大学の大学院はゼミの人数が2ー3人。
相当、緊密な指導を受けられる。
それに比べて私学の大学院のゼミは比較的多人数。ゼミ生同士の啓発は期待されるものの、学術的な指導という点では?
私の母校のW大学でもビジネススクールを開設。
何人もこちらに通った方を知っているが、失礼ながら大学院レベルでの「独自性」、「新規性」を追求している様には残念ながら思えない。
口の悪い人は学歴改ざん装置と言う。H大学、R大学等のいま一つとの世間の評判の大学の卒業者が、W大大学院卒というネームを手に入れる便法だと。
まあW大卒業生にもT大大学院に行って学歴改ざんを行っている人は数多いるが。
ちなみに国立大学のビジネススクールで学費が2年間で1百50万円、W大学で3百50万円。
アメリカの州立大学も非居住者むけの学費は値上がりしていてUCバークレーで6万ドル、生活費を入れると一千万円。ハーバードだと軽く2千万円を超える。
日本版ビジネススクールに行く理由は色々とあると思う。
但し前述の様に「修士号」を貰っただけでは何も変わりません。
よって自分がそこに行く意味を良く考えて志望校を選択して有意義な2年間をすごいし頂きたいと思います。
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