老兵は死なず、去って行くのみ

年齢も60歳に近ずいて来ると目の前に大きな壁が立ちはだってくる。多くの日本企業では役職定年制なるものがあって、55歳位で役員になっていなければ役職を追われるらしい。


そうでなくても日本の会社の場合、40歳位で本社に残る人と関係会社に移る人の選別がある。

それまで同期だった人達が、「本社」の人と「関係会社」の人に分かれる。

これが結構微妙な関係で関係会社に移った人達は「上がり」的な位置付けで、本社の若造や同期を「さん」呼ばわりしなければいけない代償に、「それなりの」待遇と名誉を与えられる。

本社に残った人達も遅かれ早かれ同じ境遇。

社長や代表取締役は相談役、顧問と名前は変わっていくがポジションを確保し続ける。


もちろん会社組織に取っても心身代謝は必要。

年寄りが何時までも権力を握っているのでは後進が育たない。

法的にも60歳に達した後は「選択定年制」というスキームに移行する。

「本人」と「会社」が合意した場合、1年毎に就業を延長出来るという枠組みだが、逆に言うと合意に至らなければ雇用の延長をする必要がないという風に非常に会社に有利な仕組みになっている。

尚且つ、定年延長時の待遇が問題になってきている。

労働法の原則は「同一労働同一賃金」。

仕事の内容に変更なしでの待遇、特に給与の改悪は裁判所も違法との判決を下している。


そもそもアメリカでは雇用均等法等の法律によって「年齢」「性別」等を理由による労働者に対する不利益は厳しく制限されている。


また我国の場合、労働人口の減少が深刻な経済発展の阻害要因として立ちはかどっている。

女性の社会参加が安倍内閣の主要テーマになっているが、いくら社会に出て仕事をしろと言っても安心して働きに出る為のインフラが整っていない。

子供のいる女性が真剣に管理職を務めようとすると、その年収分をベビーシッターに払うぐらいの心構えが必要。

それなら既に会社人として成熟していて家に居るよりは会社に居て欲しいと思われている高齢者を活用する方が合理的だと思うのだが。

先に述べた「下」のモチベーションが下がると言う理由の他に、経営陣が使いにくいという彼らの人を使う能力の欠如が一因。

もう一つは人事の人を切るのが評価につながるという貧しい発想が未だ続いているのが原因。

つまり日本企業では高齢者を上手く使いこなす術を十分に持ち合わせていないと言うのが悲劇。

このツケが社会的なプラスでは無くマイナスになっている事が、現代の損失。


実際、60歳前後で会社を辞めた人達の中にはNPOを立ち上げたり、自分の会社を立ち上げたりしている人も多い。

現代の社会の仕組みが高齢者の企業の中での就業を妨げているとしても、ドッコイ、老兵は死なず。

舞台を変えて活躍をしている。その活躍の場を企業の中に確保する事が日本企業の力を保つのに資すると思うのだが。如何だろうか?



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