ゴルフ部時代のメンタルトレーニング

「時間」と「規模」の尺度を変える





時間の尺度は、長い目で見て、「今はこういう時期なんだ」とか、「辛いことも長くは続かない」とか考えたり、短期的に今この瞬間に集中したりする思考法。


規模の尺度は、「宇宙から見たら私の悩みなんてゴミみたいにちっぽけだ」と思ったり、逆に「このチームの中では自分が一番だ」と思ったりする思考法。





これはゴルフ部時代のメンタルトレーニングのグループディスカッション中に出た発言だったのだけど、先生をもうならせるものだった。






ゴルフ部の時に学んだことは本当に計り知れない。毎月チームで受けていたメンタルトレーニングは今でも役に立っている。ゴルフ外でも使える、というか人生の価値観に少なからず影響を与えてくれた。「ライフスキル」というくらいだからね。




一方で、うさんくさい、という意見があるのもなんとなくわかる(笑)


私はどっぷりハマった方だけど、部員の中にはマユツバというか、どうせこういうことでしょ、と軽視する者もいた。


メントレとか自己啓発って、一種の催眠だと思う。宗教臭い、とも言われる。繰り替しになるけど、そういう人がいるのも、わかる(笑)


でも私の持論では、信じたモン勝ちだ。信じるものを持っている人は(良くも悪くも)強い。それが神である場合もあるし、パートナーとの信頼である場合もあるし、自分の中の信念や可能性である場合もある。迷ったときに安心して立ち戻れる指針があると、人は強くなるのかもしれない。


まぁここでは宗教について語りたいわけではないので、とりあえずゴルフ部のメントレの話に戻る。





ゴルフは個人競技。だけどそれを部活で、チームとして戦う意義は大きい。


1年生の時はあくまでも「自分のゴルフに役立てるため」に聞いていたメントレが、学年が上がるにつれ、自分がチームに対して果たす役割とか、どうやってチームの指揮を高く維持するかなど、組織論っぽくなっていった。


私は曲がりなりにも政治学科(Political Science)だったので、こういったことを考えるのは楽しかった。




私たちが学んだメンタルトレーニングの核となる概念は「心のフロー状態」を生み、高いパフォーマンスを発揮すること。


「フロー状態」とは「ゆらがず、とらわれず」「今に集中」している状態のことである。


その状態に持っていくために「ライフスキル」というのがある。スキルだから、訓練というか心がけ次第で誰でも身につけることができる。




メンタルトレーニングの内容は一方的な講義ではなく、たいていはディスカッションやコミュニケーションゲームが含まれていた。


例えば「リーグ戦Bブロックで優勝」というチーム目標があったとして、「本気でそう思っているのか?」とか「達成するために自分は何をしたらいいのか?」というのを考え、1年生から4年生まで一人ひとり全員の前で発表したり。


良いパフォーマンスを発揮するためには、良い「態度」「思考」「言葉」「行動」が必要というのを教わったときには、良い(心がポジティブになる)言葉を全員で出し合ってホメまくる回があったり。


チームで巻き込まれてやるので、この集団の中に「めんどくさい」とか「メントレとかかったるいわー」とか思っている部員がいるとやりづらい。というかそう思ってはいられない空気。(笑)





具体的なライフスキルをひとつご紹介しよう。


「感謝する」「明確な目標を持つ」などに混ざって、「状況に意味はないと知っている」というライフスキルがある。


これは説明を加えないとよくわからないと思う。




例えば雨が降っているとする。「雨が降っていて嫌だなぁ」と思ったとする。


でもちょっとまって、雨粒のひとつひとつに「嫌」と書いてあるわけじゃないよね?





「嫌」だという感情、「ゴルフがしにくくなる」という意味付けは自分が勝手にしているだけ。


メンタルトレーニング・ライフスキルは、基本的に自分の思考・言動に気付き、変えるという発想なので、自分でコントロールできないもの(Ex.天気、同伴競技者、スタート時間など)は変えられないと認識して、いかに自分のフロー状態を作り出すかということに注力する。




当時この概念を学んだ時は、とても感銘を受けた。


他人は変えられない。事実も変えられない。変えられるのは自分のとらえ方と気持ち。


メンタルトレーニングで、思考法を図式化したり、概念を理論立てて説明を聞いたり、それはとても大事だと思う。

一方で、机上だけではなくて実践して学んでいくことも勿論だいじ。




池ポチャした時、バンカーにつかまった時、嫌な選手と一緒の組になった時…

ゴルフではこんなことがしょっちゅうあるのだ。本当に。

そんなときは、ライフスキルを思い出し、実践してみる。



私は4年間ほぼ毎月のこのメントレを受けてきたし、自ら率先してフローの催眠にかかった。今でも壁に「12のフローキーワード」リストを貼ってある。


メンタルトレーニングは、概念を学んで終了、講義を受けて終了、ではなく、学び続けることが重要である。


私は最近、人生そのものが学びで、トレーニングなんだなとしみじみ思う。





著者の稲葉 瞳さんにメッセージを送る

メッセージを送る

著者の方だけが読めます

みんなの読んで良かった!

STORYS.JPは、人生のヒントが得られる ライフストーリー共有プラットホームです。