三十路過ぎ男の婚活奮闘記 第1話
今から、12年程前に婚活を決意したきっかけは、ちょうど33歳の時に母親が倒れて入院になった事だった。脳内出血だった。今まで家の家事はいっさい母親がしてきた為、チョットしたパニックになってしまった。入院する為に何が必要なのかも判らず、母親が今まで使っていた物や、衣服、薬、お金をおろすにもカードの暗証番号も判らず仕舞いだった。家に残っている家族は、90代の祖母と父親、兄と僕だけであり、もちろん不甲斐ない僕達兄弟は、結婚どころか彼女さえおらず、女手が不足していた。とりあえず、着替えや身の回りの物は、すべて新しく買い揃えた。一週間ぐらいすると会話が出きるようになり、カードの暗証番号を聞き出すことが出来た。一年後、無事に退院することが出来たが、左上下肢麻痺が残り、要介護3の判定がおり、現在は通所サービスを利用しながら、在宅生活を送っている。家のゴタゴタが全部ひと段落して半年が過ぎた頃、一念発起して三十路過ぎ男の婚活が始まった。
著者の孝紀 森廣さんに人生相談を申込む
著者の孝紀 森廣さんにメッセージを送る
メッセージを送る
著者の方だけが読めます